産婦人科研修・子宮頚がん予防ワクチンと、妊婦と新型コロナ
昨日の続きです。子宮頚がん予防ワクチンは、日本では1%の接種率であると。これはもうけいガン予防にはとても有効であること、副作用といわれるものは、ワクチンのためでないものも沢山副作用に入れられていること、私もこのブログで何度も話しているように、WHOは世界中でもっとも安全なワクチンといっています。
名古屋スタディというのがあります。これは、副作用といわれる有害事象を起こした人をワクチンをうった人とうたないかった人を3万人規模で調査しました。むしろうたない人の方が多かったいうものです。
https://cancer.qlife.jp/news/article3245.html
厚生労働省もやっと地方自治体にこのワクチンを対象年齢の人に通知するように通達を出して、少しうつ人が増えては来ました。小学校6年生から高校1年生まで無料で接種できるのですが、この間、副作用が心配でうたなかった、そして今、年齢が過ぎてしまった人が沢山います。その人たちをどう救済するのか、厚労省がどうするのか待ちたいと思います。
そして。ワクチンでいま世界的に広がっているのは、9価のワクチンです。日本では、これまでは2価と4価しか認められていませんでした。(4価は、うち二つはがんではなく尖圭コンジローマを起こすウィルスに効くもの。2価も4価も、がんを起こすウィルスの内16型と18型の二種のウィルスに効くワクチンです。)
日本もやっと9価が認可され、この2月24日から販売・接種ができるようになりました。しかし、これは定期接種になっているわけではありませんので、無料にはなりません。私は無料の方以外には9価をおすすめしたいと思っています。
子宮頸がん、特に若い人が進行がんにかかって子宮を取らなければならなかったり、赤ちゃん残して亡くなったりするのは大変つらいことです。産婦人科医の殆どは、そんな気の毒な人達の姿を見ていますので、やはりワクチンをうってほしいと思っています。
昨日の研修の一番目のはこれで終わって、二番目の講義。妊婦の感染症についてです。講師は、先日まで神戸大学の教授であった山田秀人先生。現在は北海道の手稲渓任病院という大きな病院にお勤めでいらしゃいます。
先生はリモートの話が終わって後ろのカーテンを開けられると雪景色でした。雪ですと言われて。(そういうさりげないことをされる人って好きですねえ。)
お話はまず新型コロナウィルスに感染した妊婦さんの話です。
2020年2月から、感染した妊婦さんについて沢山の論文が出ています。世界中では、もう3万人を越える妊婦が感染しているのですね。様々な報告から、昨年12月30日、日本産婦人科感染症学会は、
「新型コロナウィルス感染症について妊婦・妊娠を希望される方へ」の第12版を出しました。
よく聞かれるので、それをここに掲載しますね。
1.COVID-19により、胎児異常・流産・死産のリスクが高くなる報告はない。外国では、母子感染や死産例の報告がある。米国CDCは、妊娠は重症化リスクであり、早産リスクは高いかもしれないと発表。
2.3密防止。手洗いと手指消毒を行う。不要不急な外出を控え、会食やカラオケを避ける。1.8m以上のsocial distanceを取る。
3.鼻水や悪寒等風邪症状、37.5°C以上の発熱、倦怠感、息苦しさがある場合は、主治医や受診・相談センターに相談する。感染が疑われる時は医療機関を通じて、PCR検査を受ける。
4.感染の可能性のある時は妊婦検診を控える。可能なら自宅で血圧測定を行ない記録する。不正出血や腹痛、破水など産科的症状のある場合は受診が必要なので、医療機関に相談する。
5.立ち会い分娩や面会は制限されるが、主治医と相談する。
6.里帰り出産については、主治医と相談する。
7.母親と出生児がウィルス陰性となるまで、対面と授乳を控える。
以上ですが、まだ妊婦の不安や感染した妊婦や新生児をどうするか等のお話もありましたのでまた報告しますね。
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