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「だれひとり取り残さない刑法改正を」

  先週の木曜日、1月28日に行われた性犯罪の刑法改正を巡るシンポジウム・「だれひとり取り残さない刑法改正を・どうなっている?刑法改正検討会」」について。

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性犯罪にかかわる刑法は2017年6月、明治時代に作られたものが、やっと110年ぶりに改正されました。しかしまだまだ積み残されたものが多くあります。2017年に改正された時、3年後にはこれの見直しをすることという付帯がつきました。そして、3年が過ぎました。昨年6月からその検討会が開かれています。そこでは今どんな論議がなされているか、という報告があって興味深いものでした。

まず、2017年に変わったこと。

1.「強姦罪」が「強制性交罪」に。
2. 3年以上の有期懲役刑が5年以上の有期懲役に。
3. 親告罪が撤廃されて、おおむね被害届けだけで起訴ができるように。(でも、私は個人的に被害届けのハードルはあると思うけど)
4. 定義の拡大 これまでは男性器の女性器への挿入のみだったのが、口腔・肛門への挿入も強制性交となった⇒男性も被害者に
5. 監護者であることに乗じた性犯罪が創設された。(監護者とは、同居している親(里親)や施設の長等18歳未満の子どもを監護している人)
6.  集団強姦罪が廃止された!!

では、どんな課題が残されているのでしょう。まず今の法律はこうです。これは以前にブログに載せたこともあるのですが、性教協中国ブロックの研修会で、弁護士の寺元先生と私がシンポジウムをした時の、寺本先生のスライドの一部です。


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今のままだと、強制性交が成立するためには、次のようなことが必要です。


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すなわちこういうことなのですね。ではどんな課題が残されているのでしょう。


課題1.抵抗できないほどの暴行・脅迫があった証明が必要。怖くて固まってしまった(フリーズ)は同意とみなされるは明確な暴行・脅迫がないと起訴されないため、多くの被害が埋もれている。

課題2. パートナーからの性犯罪  多くの被害が事件化されない。

課題3. 地位・関係性を利用した性犯罪 。抵抗しにくい立場での被害が救われない。例えば、職場の上司と部下、学校の先生と生徒、スポーツの指導者と選手、就活生、等。

課題4.  性交同意年齢 「13歳以上」は変わりませんでした。13歳以上は大人と同じように、暴行・脅迫要件が適用されます。

課題5. 時効    強制性交等罪 10年。強制わいせつ罪  7年。10才で被害に遭うと被害者が20歳と17歳でもう時効で罪に問えません。

課題6. 集団の犯罪の撤廃  集団で受ける被害は想像を絶します。加重要件にすべき。

これらの課題を残してしまっていることで、とても許されないひどい無罪判決が次々と出、怒った女性たちのフラワーデモが全国で展開されました。

 もう少し続けますね。特に課題に反対する人達の反対理由は興味があります。貧しい性意識!!としか思えないのです。

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