二本の映画②「僕は猟師になった」
昨日の午後、同日二本目の映画は「僕は猟師になった」です。
京都の街と山の堺に住む猟師千松信也さんの日々を追ったドキュメントです。この映画のことを知って買った本、これがまたものすごく面白くて、映画を見るのを楽しみにしていました。
子どもの時から動物が好きだった彼は、京都大学の学生時代に資格を取って猟師になります。それも、銃で動物を取るのでなく、ワナで。直径12センチほどのワナを山の獣道に仕掛け、動物の足を捕獲して、獲ります。おもにイノシシと鹿。本の中でのエピソード、初めての獲物、鹿を取った時、バイクの後ろに鹿を積んで、学生寮まで帰ります。そして、マイクで全寮生に「鹿を捕まえたので、今夜はを宴会をします。皆様お出で下さい。今からさばきますので、それを手伝う方は、すぐに来てください」と。そしたら、どーっ、だだっーとみんなが駆けつけてきたと。みんなでさばいて、その夜は焚火で焼いて食べつくしたと。
今、彼は運送会社に勤めながら、猟師をしています。結婚し、子どもたち二人、家族と共に食べる肉は、自分で調達するという信念のもとに。「命を奪う」という行為は、神聖でもあります。映像を撮り番組みを作ったのは、NHK京都支局の女性ディレクターです。マスコミには会わないという彼を説得し、ワナにかかった動物の命を奪うシーン、それを解体する所を絶対に避けないことという条件で、撮影を許可されます。
私は、イノシシの肉が好きです。映画の中で、子どもたちと共に焼き肉をしたり、三日間イノシシの骨を煮てできたスープでラーメンを食べたりするシーンが、とてもおいしそうで。
ワナにかかったイノシシの命を奪う所、それも最後のシーンは、延々と格闘が続きます。それこそ命がけで向かって来るイノシシに負けてしまって、彼の命が奪われるのではないかと、息を詰めて見続けました。大変な現場でした。彼の生き様がすごいと同時に、よくこの撮影を続け、映画を作って下さったと、NHKの取材班にも感謝したいと思いました。
「食べる」ということ、動物の命を食って生きるということ、その根源に迫る秀作でした。
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