湯来南小学校で④
今日は、午前中は「性教協広島サークル」の例会。城さんの「性的同意」って何?~中・高校生へどう伝えよう~。素晴らしく楽しく勉強になる授業でした。これについては、またお伝えしますね。午後はクリニックに行って「特別養子縁組」の研修の資料作り。今週末に養親希望の方への研修をすることにしたので、その資料作りです。以前から取り組んでいたのを仕上げに取り掛かっています。もう少しで出来上がる所まで来ました。100ページを超える手作りの資料です。もう少し頑張って作り上げて、後は研修をする中で改善していきましょう。
今日は、もう少し湯来南小学校でのお話を。
低学年と高学年の両方の授業が終わった後、保護者の方と一緒に校長室でお話しました。お母さんたちは、もうずっと前に私の著書を読んだことがあると、古い本ももってきておられました。その中のお一人から。五年生の保護者の方からの質問だと。もう、そろそろ「どうして卵と精子がいっしょになるのか」と質問される年だと思うと。そしたら、どう答えたらいいのでしょうと。要するに、「性交」をどう教えたらいいのかということなのですね。
ウフフ、と私です。「実はね、もし、子どもたちからその質問が出たら答えようと思って、そのスライドを作って、待ち構えていたのですよ。」と。実は、小学校では「性交を教えてはならない」となっているのです。以前は、ちゃんと教えることができました。でも、性教育バッシング以来、性交を教えると、「指導要領の逸脱」になるのです。私は、性交を教えるのは、早ければ早いほどいいと思っています。
子どもたちがカブトムシなどの交尾に興味があるころ。「交尾をすれば、卵が産まれる、そしてそれを大事に育てていると、やがて沢山のカブトムシが生まれる!!」それは子供たちにとってワクワクする出来事なのですね。私は、そのころ、子どもたちに「人間もそうなんだよ」と教えました。でも、人間は「交尾」と言わない、「性交」という、英語だったら「セックス」というと。まだ保育園の娘は、「あっ、セックスって、交尾のことだったんか。わかった分かった」と言いました。それから、パンダが交尾すると赤ちゃんが生まれるなどということは、ふつうにテレビでも期待して言われていることですし。
私は、小学校で自分から積極的に「性交」を教えて、先生方に「指導要領の逸脱」としてご迷惑をかけてはいけない、でも、もしも質問が出たら、その時にはちゃんと答えようとこんなスライドを作っていたのです。
いきなりこれを出すのではなく、メダカは雌が卵を産んだ所に、雄が精子をかけるのだったね。では、人は?「どうしたら、精子が卵子に近づくのだとおもう?」と子どもたちに考えてもらおうと思っていました。友人の小学校の先生によると、爆笑ものの答えが一杯出て来るのだと。
今日、校長先生から、メダカの受精の動画の後に、この動物たちの交尾のスライドをしたら、自然に人の受精に行けるのではないかとご指摘がありました。そうですね。それは実は私もそうしたかったのです。もしも小学校低学年に性交を積極的に教えてもいいということであれば。性交をおしえることができたなら、伝えられることはうんと広がります。単に、プライベートゾーンを大切にだけでなく、性暴力の予防にもつながります。
勿論、性暴力の予防のためだけではないのですが、これだけ性教育の必要性が言われ、世界の中でもとても遅れていて、性被害が子どもたちに及んでいることを見たなら、指導要領が早く変わらなければと思います。
これまで、中学生や高校生や大学生や教師や保護者の方たちばかりにお話しをしてきた私ですが、小学生に、それも全学年に話をさせていただくという、とても貴重な体験をさせていただきました。11月には、また小学生に話をする予定になっています。今回の経験をもう少し検証して、またもっといい授業をしようと思います。校長先生を初め、関係者の皆様、本当にありがとうございました。湯来南小学校のホームページに、校長先生のブログで今回の授業のことが書かれています。
http://cms.edu.city.hiroshima.jp/weblog/index.php?id=e2145
それから、実は、湯来南小学校の授業が済んで、とっても懐かしい方に会いに行きました。明日はそのお話をしますね。
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