こまつ座「きらめく星座」
今週の木曜日には、厚労省の特別養子縁組についての研修会があります。そのためもあっての書類づくり、アンケートと、昨年度の実績の報告。これが大変なのですね。
養子縁組が決まったものだけを報告するのであれば簡単なのですが、全国からの養親の申し込み、この方たちの県別、年齢なども全部報告しなければなりません。この頃、たくさんの申し込みがあります。あまりに遠方の方については、どうぞ、お近くのあっせん事業所に申し込んでくださいというのですが。私は、そんなに宣伝もしていませんし、私の所に来られた、困っている患者さんのためにあっせんしているだけなので、数も少ないし、待たれるのも気の毒なので。
養子縁組が決定した方たちについても、それぞれの方たちがいくらお金を使われたか、それらも細かくし分けて報告しなければなりません。交通費いくら、病院に払ったお金はいくらとか。昨夜、12時までクリニックにこもって、一応、報告書を作り上げました。疲れました。
その間には、木曜日のZOOMの練習がありました。厚労省の方と一対一で練習をして頂きました。
これらのことがほんとうに私を疲弊させます。まったく持ち出しですし、ただあるのは、使命感と正義感だけ。でも、先日、養子として赤ちゃんを手放した女性のお母様から、「先生、やめないで下さいね。先生がいて下さったからこそ、私も娘も赤ちゃんもみんなが助かったのです。ブログで、なんか疲れたとか、やめようかということを書かれていたので」と言われて、ああ、そうだと思いなおしました。少し元気が出ましたよ。
話は変わります。25日の土曜日、こまつ座の「きらめく星座」を観に行きました。アステールプラザの大ホール。私は二階席の一番前だったので、演劇が始まる前の一枚だけ、上から写真を撮りました。上演中はもちろん撮影はできませんので。
このように、席は一つ置きです。1200席の会場ですが、コロナのために、このように使われています。入る前には、全員体温の計測、手の消毒。勿論、全員マスクです。
大変な労力でも、上演しようという市民劇場の方たちの熱意に感動しました。
井上ひさし氏の演劇、とても面白くて深刻で、重いのですが。ただ、二階にまで地声が届きにくい。聞こえないセリフが沢山あって、なんかイライラ。勿体なくて、途中の休憩時間に一階に降りて、空いている席に座りました。それからは、十分に聞こえて楽しく観ることができました。
聞こえなかったのを埋め合わせるために、パンフレットも買いましたが、それでは、まだよくわからないので、電子書籍で台本を買って読んでいます。井上ひさし氏の大切な言葉が沢山出てきます。ああ、そういうことだったのかと後から納得。
私、つくづく思うのです。百人とかの小さい会場だったら地声でいいけど、でも、オーケストラを演奏するような1000人以上も入る会場で、二階席なんて、何百メートルもあるような距離の客にすべて聞かせるのは、無理だって。ゆっくりなのならまだしも、早口でしゃべられると、理解するのが難しい。そろそろ、新劇の皆さんも、マイクを使うということにしてもらいたいものです。そうでないと、本来演劇好きの私が、ますます映画の方にばかりシフトしてしまいそうです。
太平洋戦争に突入する直前の浅草。そこの古いレコード屋を舞台に、音楽や歌もふんだんに、軍国主義や兵隊さんや、天皇陛下や、非国民などが丁寧に語られます。そして、「命は奇跡だ」と。「生きていることは奇跡の積み重ねなのだ」と。ズキンと胸に来ることが語られましたよ。幕開けに、防毒マスクをしている顔が浮かびあがって、それはまるでどくろの様でした。死人?井上ひさし氏独特の皮肉とドッキリ、ユーモアでしょうか。
台本をしっかり読んで、また感想を書くかもしれません。8月6日が近づいて、なんだかんだとバタバタしておりますのでいつになるかですが。
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