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「密室」で二人っきりになること

 今日は、色々と迷った挙句、「密室」の危険性について書きたいと思います。

 産婦人科医療では、診察の場合、決して男性医師と患者さんの二人っ切りになってはならないと、厳しく教育されています。必ず、看護師さん等に立ち合ってもらうようにと。それは、診察がとてもプライベートの場を見る、触るということから、犯罪につながり易いことによります。犯罪を犯すかもしれないというよりも、もしも患者さんが犯罪の被害を訴えた場合、医師の側は反論がとても難しい、えん罪に巻き込まれないためにという因子が強いようです。

 私は、性犯罪の被害の女性を診察することがとても多いのですが、世の中には、とても無防備に「密室」がしつらえてあることに気づかなければと思います。

 例えば、リンパマッサージなど、施術してもらうのに、ほとんど裸でなければならない時は、密室でも仕方がないかもしれません。でも、多くはリンパマッサージの施術者は女性ですから、さほど問題にはならないでしょう。もしも、施術者が男性であったら、ほとんど裸の女性と男性とが一体一で長い時間向き合い、体を触られるという行為は、ともすれば犯罪に結びつきやすいと考えます。そんな時は、完全な個室にしないでほしい、たとえ大部屋でカーテンで仕切る場合でも、一部施術してもらう人の体は見えないようにしての、どこかが外から見えるようにしてはいけないのかと思います。

 マッサージと言うのは、あくまでも一例をあげてのことで、お前はマッサージ師を犯罪者呼ばわりするのかと叱られるかもしれません。でも、実際、マッサージに限らず、個室の現場での被害がとても多いということを知って頂きたいのです。ほとんどの人はそうではないのですが、そんな人が紛れ込んでいる可能性もあるということです。

 そもそも、リンパでなく、服を着てマッサージしてもらうのに、完全に密室にしなければならない理由ないでしょう。

 以前、夫と二人で行っていたマッサージで、そこは沢山のベットが並んでいますが、完全にカーテンで仕切られるようになっていました。夫と私との間は、いつもはカーテンは開けていたのですが、その時には、マッサージ師さんが、カーテンをさっと閉めてしまいました。そして、施術してもらっている時に、後ろ向きになっていた私の手にその人の性器を握らされてしまったのです。

 えっ!!何!?ととまどいました。どうしよう、声を上げようか、手を振り払おうか、夫との間のカーテンを開けようか、激しくあれこれ考えても、結局なんにも行動できませんでした。それは、その方が障がいのある方というのもあったと思います。彼が職を失うようなことになってはかわいそうだとも思いました。でも、突然、考えもしないことに遭遇すると、急に行動はできないものだとよくわかりました。まさか、この私が、何にもできなかった、後で、私はどうすればよかったのか、どうして何もしなかったのかと、自分に嫌悪を感じました。私は、もう年寄りだからいいようなものの、同じようなことをその人はしているのではないか、それを見逃してしまってはいけなかったと後悔しました。

 それは、乗り物の中でちかんに遭った時でもそう。とっさに行動はできないものです。

もう一度、今回、マッサージを例に挙げて申し訳なかったのですが、 世の中には、「密室」や「個室」を売り物にしている業種が結構あります。その必要があるのかどうか、利用する時には、考えたほうがいいと思います。密室で目撃者もいない所から、被害を訴えてもなかなか難しいことなのですね。


私は、性教育の講演をする時に、特にこのごろ、SNSによる被害が多いので、「密室に二人っきりになること」の危険性を必ず話すようにしています。明日は、それについて話しますね。

先日の晩御飯、夫が作ってくれたそうめん。ミカンの缶詰を買ってたのとシイタケを煮たのは私です。おくらとなすとキューりのはテレビでやっていたのですって。おいしかった~。

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