邱永漢さんの本
まあ、しかし、政治から目が離せませんね。東京高検検事長については、まだまだウォッチングしなければ。次の東京高検の検事長に誰がなるのか、とても興味があります。もともと、今の名古屋高検の検事長を東京高検の検事長にという検察の意思を、いやその前の次官昇格をも官邸が拒否したと報じられています。官邸がけって、強引に黒川氏をもって来たと。今更、名古屋の林さんを当てるとなると、官邸にとっては、屈辱的でしょうね。
それに、今朝の毎日新聞には、掛けマージャンの責任を取って黒川氏が辞職した、その監督責任で稲田検事総長に官邸が辞職を迫るという、なんともえげつないことをもくろんでいるようなことが書かれていました。監督責任というのであれば、これは森法務大臣でしょう。なんで稲田さんになるのでしょうね。まったくもう、安倍さん、官邸もいい加減にしてほしいです。あんまりひどいと、またツイッターデモを頑張らなければ、ですね。まだしっかりと見つめ続けましょう。
しばらく買わなかった週刊文春を、森友の財務省職員、赤木さんの遺書と手記を読みたくて買い始めて。林真理子さんのエッセイで、「邱飯店のメニュー」という本のことを知りました。邱永漢さんの本です。
作家の邱永漢さんは、ものすごいグルメで、それは生まれ育った時からで、かれの家では、食事は二時間かかってしていたと。その邱さんが、様々な人を自宅に招待し、ごちそうをふるまいます。自宅のごちそうなのですが、すべて彼と妻が作ります。その招待した友人たちのことや食事のメニューなどがふんだんに書かれた、楽しい本です。
すぐアマゾンで頼もうと思ったら、もう古い本で、中古しかありませんでした。中古の中の新しそうなのを買いました。
今朝がた読み終わりました。それは読みごたえのある本でした。邱さんの故郷は台湾ですが、台湾の将来について国民政府と意見が合わず、国を出てから24年間帰ることができませんでした。それが、台湾から遣いの方が二度見えて、結局帰ることになった、その歓迎ぶりやその時からその後に至る台湾での食事なども書かれています。いろいろな作家との交流や、邱さんが作家として大成していく過程などもとても興味深いものでした。
しかし、お宅での食事を見ると、私たちが日ごろ食べている「中華料理」とは何じゃみたいなものです。そもそも結婚して、食事が同じものが出て、邱さんはハンストをしたのだと。そしたら妻がびっくりして実家に帰って、そこで料理を勉強してから邱さんの元へ帰って来たのだそうです。
メニュー、例えば、大和芋で豚の脂身を挟んだものというのでも、豚バラ肉を丸ごと醤油や砂糖などをまぶして約一時間おいておく。それを油の中で狐色になるまで揚げる。お茶を入れて、その中で揚がった肉を洗って油臭さをおとす。その肉を幅一センチ、長さ6.7センチに切る。大和芋もお同じ大きさに切り、肉と交互に並べ、それに沢山の調味料、醤油、砂糖、酒、腐乳(チーズみたいなの)陳皮などいろいろをかけて、それをせいろに入れて約二時間かけてゆっくり蒸す。そんな手のかかるものが約二十種類、それもお呼ばれする度にいろいろとメニューを変えて出てくるのだそう。ふかひれや干しアワビの料理なんて、またまたすさまじく、何日も時間のかかる、また、ドーンとスケールの大きい料理となって出てくるのだそう。
そのメニューが「邱家の中国家庭料理」という本にくわしく書かれているのだそうだけれど、これがアマゾンでも3万円以上するので、とても買えません。でも、邱さんの妻のことを書いていると思われる「奥様はお料理がお好き」というのを買いました。これもかなり古い中古です。でも、箱に入って雰囲気があって、なかなか読み応えがありそうな本が届きました。今度はこれを読みます。邱永漢さんですから、単なるお料理の本ではなく、国をめぐる話(台湾の独立だとか)日本の外国人に対する扱いだとか、きっと、「邱飯店のメニュー」と同じように書かれていることでしょう。ああ、楽しみです。
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