昨日の二つの性暴力の判決について
昨日は、感動の日でした。午前中は、私の想いをしっかり聞いてくださることがありました。久しぶりでうれしく思いました。そうこうするうちに、待ち遠しかった朗報が二つ来ました。
一つは、もうたくさん報道されていますが、名古屋高裁の判決。もう一つは、東京地裁の判決。どちらも、性暴力の加害者の有罪の判決です。
名古屋高裁の判決は、父親が実の娘に中2から19才まで、ずっと性暴力を続けていたこと。これは、昨年、名古屋地裁岡崎支部であろうことか、父親に無罪の判決が下されていました。抗拒不能ではなかったと。要するに、逃げようと思えば逃げられたことと。これには、日本中の女性たちが怒りました。それが、高裁では、懲役10年の実刑判決でした。
沢山の報道がありますが、毎日新聞の記事のご案内を。
https://mainichi.jp/articles/20200312/k00/00m/040/129000c
そして、この判決を受けての被害者の手記が出ました。全文はここにあります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200312/k10012328321000.html
一部、転載します。
次第に私の感情もなくなって、まるで人形のようでした。
被害を受けるたび、私は決まって泣きました。
「私にはまだ泣ける感情が残っている」ということ、それだけが唯一の救いでした。
私が一人っ子だったら、何も迷わずにもっと早くに訴えられていたかもしれません。
やっぱり大切な弟たちのことが心配だったのです。
そんな弟たちと離れなくてはいけなくなること、生活が大変になるかもしれないこと、ただそれだけを考えると、嫌でも仕方なくてじっと我慢するしかできませんでした。
今も弟たちに会いたい。
話したい。
その気持ちでいっぱいです。
今も会えないのは苦しいです。
2.二度と会いたくないのは、父親です。
あの人が私の人生をぶち壊したんです。
返してください。
私のこの無意味に空費した時間を!気に病んだ時間を!全部返してください。
やってみたかったこと、本当はいっぱいありました。
でも全部諦めました。
今、すべてのことを振り返ってみると、ひたすら悔しい気持ちです。
父との毎日は非常識であり、ただただ気持ち悪かったです。
どうしたらあんなことができるのか、わかりません。
私たちはただ普通に暮らしたいのです。
暴力も暴行も、無慈悲な言動のない普通の生活がしたいんです。
もう二度とこんな思いはしたくありません。
これから私は無駄にしてしまった時間を精一杯埋めていきたいので、邪魔しないでもらいたいです。
私は父を許すことは絶対にできません。
不安と苛立ちに押しつぶされそうな苦しい毎日でした。
そして今も同じです。
私や弟たちの前に二度と姿を現さないでほしいです。
こんな思いをさせ続けた加害者が、なぜ一審では無罪になるのでしょう。高裁の判決では、一審の判決を「抵抗できない状態について、要件を正当に解釈しなかった結果、誤った結論になっている」と厳しく指弾しています。
懲役10年。これで被害者の心がすぐに癒されるとは思いませんが、どうぞ、これからの人生を少しでも心安らかに過ごしていただきたいと思います。伊藤詩織さんに続いての彼女、いえ、すべての性暴力の被害者の闘いに敬意を表し、感謝したいと思います。
もう一つの東京地裁の判決。これは、「リアルナンパアカデミー」という、ナンパの方法を教えるという塾の塾長に対しての判決でした。これは、産経新聞の記事を。
https://www.sankei.com/affairs/news/200312/afr2003120020-n1.html
ナンパの方法を教えるとして、女性に強いお酒を飲ませ意識消失の状態にし、自ら性交をし塾生にも順番に犯させ、それを動画に撮るという、卑劣な犯行を繰り返していたものです。今回、懲役13年の判決と共に、動画が記録されているパソコンとハードディスクの没収も命じられています。
まったく、今、こんなとんでもないことが行われている、日本って、こんな社会であるということを改めて痛感します。同時に、このような卑劣な犯行の多くが、被害者の泣き寝入りで終わっているという事実もあります。今年の性暴力に対しての刑法の見直しがちゃんと行われますように。
フラワーデモに参加できなかったけれど、代わりにすべての被害者の方々に敬意を表して、クリニックのお花です。
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