「プリズン・サークル」
昨日は、診療後川沿いを自転車で走って横川へ。横川シネマで映画「プリズンサークル」を観ました。本来なら、昨夜は新幹線で移動をし、ホテルに泊まって、今日中学校で性教育の講演をする予定でしたが中止となり、ぽっかり時間ができたので。それに、映画館の換気については、とてもちゃんとしてあるのにも関わらず、
https://note.com/asai_takashi/n/nd75b4a736e87
どこかで、映画館も閉鎖しろというような乱暴な意見が放送されているのを見て、もしかして、そんなことがされたら大変。早く観たいのは観ておかなければと思ったので。
プリズンサークル。
広島から浜田に向かう途中の旭町。そこにある「島根あさひ社会復帰促進センター」。2008年に開設された官民一体の刑務所です。そこでの2年間を追ったドキュメント。
「ぼくたちがここにいる本当の理由」として、主に4人の男性を追います。
ここでは、TC(セラビューティック コミュニティ)回復共同体として週12時間の取り組みが行われます。円形に座ったり、時には少人数の輪になって、与えられたテーマを語り合います。講師は民間のボランティアである専門家。
希望者の中から選抜された人が半年から2年間、ともに学びます。自己紹介から始まって、ときには厳しく。とても厳しく。当事者が泣きながら、仲間も涙ぐみながら、対話を重ねます。こちらも涙が止まらなくなりました。
人を傷つけてしまって、すべてを失った彼。仕事も家族も婚約者も、胎児さえも。その彼に被害者役の仲間が容赦なく迫ります。ロールプレイなのですが、それを通して初めて彼は、被害者の心情に思いを重ねることができます。
また、人を殺してしまった彼は、殺した者は死ななければならないと思い詰めます。でも、自分はいい死に方をしたいと。一方、そんな自分はいい死に方はしてはいけないとの葛藤があります。その二人を椅子を向かい合わせにして、それぞれの椅子に座りながら、両方の言い分を話します。指導者は容赦なく、はい、では今度はこっちに座って、と。それはとてもきつい作業で、それぞれの立場に、支援をする人二人ずつをつけて応援します。ああ、こんなやり方があるんだと深く感動しました。
どの人達も、みんなひどい子ども時代を過ごしています。虐待、いじめ、貧困。よくこれまで生き抜いてきたねと声をかけてあげたくなります。やはり大人たちが、こんな彼らを作りだしているのだと。「ぼくたちがここにいる本当の理由」が良くわかります。
ここを出た人は、社会の中でそれぞれ生活をしています。中には、大学を目指して勉強しているという人も。それにこの教育を受けた人の再犯率は他の刑務所出身の半分以下だと。出たのちも、ボランティアの支援者を中心に三か月に一回の会があってバーベキューをしながら語り合ったり励まし合ったり、支え合ったり。
今、全国の刑務所に収容されている人は約4万人。そのうち、この教育を受けられるのは40人。罰則を強化せよではなく、このような教育が広がればと思います。でも本当は、すべての子どもたちが愛情に包まれて成長していくこと、そのような社会であることかが何よりなのですが。
すべての子どもや福祉や教育に携わる人、この映画を観て下さい!!
『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。
広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。
| 固定リンク
コメント