産んでも育てられない時に避妊のない性は暴力です。
連日、緊急避妊薬を求める人たちが来院します。それだけでなく、妊娠・中絶を求める人も。これらの若い人たちと接していて、ほんっとに一体どうしたらいいのかという気持ちになります。
どうして、「避妊のない性は妊娠する」という当然のことがわかっていないのでしょうか。妊娠した女性が、当然彼と結婚して出産すると思っていたら、相手は「子育てをするつもりはない」といったと。では、どうして避妊しなかったの?と聞くと、「忘れてた」といったと。「わすれる!!」避妊しないと妊娠する、この当たり前のことが頭から飛んでしまうのですね。もう、さんざん言い続けているのですが、「妊娠しても産めないとき、避妊のない性は暴力」ということもわかっていないし、そもそも性交の前に、「妊娠してもいいのか」という話しあいもされていません。
避妊しなくても、大丈夫でしょう、と彼が言ったという人も。彼女が不妊であるとか、彼が不妊であるとかという、何の根拠もないのに。
本当に、ちゃんと性教育をしなければ。
世間では、性教育はされていと思っているようですが、まったくと言っていいほどなされていません。その代わりの教科書が「アダルトビデオ」であり、アダルトビデオでは、避妊の話や性感染症の話など出てきません。
中日新聞が書いてくれました。
東京新聞ウェブ版はここです。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/202001/CK2020011002000180.html
性被害。強制性交などの犯罪でなくとも、身近な恋人同士でも、「避妊」というマナーが守られていないという、現実。もう、そろそろわかってよねと思いながら、長年、変わらぬ気持ちで診療しています。
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