伊藤詩織さんの勝訴に思うこと。
伊藤詩織さん勝訴の判決は、久々にうれしいことでした。同時に、詩織さんは本当にどんなにかつらい日々だったことかを想います。多くの方がこの件について発信していますので、今さらなのですが。いくつか思うことを述べたいので。
テレビの報道では、敗訴した山口氏の記者会見の様子を長々と流し、裁判で否定された彼の言い分をしっかり言わせているという、局もありました。
中で、許せないと思うのは、山口氏のこの発言です。
「伊藤さんは性犯罪被害者ではありません」「私の所にも性犯罪を受けたといってご連絡をくださる方が複数。お目にかかった方もおります」「本当に性被害に遭った方は『伊藤さんが本当のことを言ってない。こういう記者会見の場で笑ったり上を見たり、テレビに出演して、あのような表情をすることは絶対ない』と証言して下さったんです」「性被害に遭った方が『嘘つきだと言われる』といって出られなくなっているのだとすれば、非常に残念なことだと思います」
性被害を受けた方は、みんな下を向いて、暗い表情でいなければならないのでしょうか。何をしていても、頭を占めるそのみじめさや怒りを懸命に抑えながら、前向きに日常の生活を送ることはしてはならないのでしょうか。私の知っている、ひどい性被害に合った人に「それにしては、つらそうな顔をしていませんね」と言ってのけた検事もいます。
実名をさらして訴え出た彼女へのひどいバッシング、セカンドレイプと言われますが、それを現職の国会議員もしています。
更に、彼女は「枕営業大失敗」という字が書かれた漫画を見て大笑いするという、そんな動画も流されています。
https://twitter.com/shin919infinity/status/1014829191320072194/video/1
このような人が国会議員であるということはとても恥ずかしい。でも、彼女は安倍首相の一存で自民党の比例で議員になれたそうだし。山口氏の逮捕状の執行を止めたのも安倍の腰巾着の警察官僚だし。安部と仲良くすれば、レイプ犯だって罪を問われなくて済むのですよ。
一体いつからこの国はこんな情けない国になってしまったのでしょうか。
詩織さんは、民事がひと段落したら、これらのセカンドレイプした人達への法的措置を取ると言っています。とてもつらい仕事をこれからも彼女に背負わせるという事に、胸が痛みます。私たちが替わって訴え出ることができるなら、いくらでもするのですが。
もう一つ。「刑事」と「民事」が真っ向から異なる結果になったと報道したのも見ました。違うと思います。「刑事」では、裁判所は判断していません。その前に起訴されなかったのですから。せっかく詩織さんと警察が苦労して集めた数々の証拠が、どう扱われたのか。検察審査会にどう提出されたのかも、全く公にはされません。司法が三権分立とは程遠い現状になってきた今、起訴するか否かは、検察官の胸一つです。森友や加計などで、政権に忖度するその姿をさんざん見てきました。私でさえ、性暴力の被害で、なぜこれが起訴されないのかと悔しい思いをしたこともあります。
そんな厳しい状況の中で、今回の判決を勝ち取られた詩織さんを初め、弁護士さんたちにも、本当に感謝したいと思います。まだ日本にも正義はあると胸を熱くしたことでした。山口氏は控訴したそうですが、今後も見続けたいし、伊藤詩織さんを支援し続けたいと思います。
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