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障がいのある人の体と性

先日の「手をつなぐ育成会」での講演会。きわめて具体的に「こんな時にはどうしたらよいか」と、日常生活にお役に立つことをお話するのを心掛けました。

 知的障害のある人、その程度にもよりますが、言葉で表現できない人もいます。「痛い」の一言も言えなくって、その表情から察してあげなければならない子も。つらいのをどうしようもなくって暴れてしまう子も。月経のナプキンを嫌がって、直ぐに外してしまう子もいます。保護者の方々のご苦労は、それはそれは大変です。

 そんな方たちにいつも思うのですが、私ごときが偉そうに何がお話できるのだろうと悩みます。

でも、昨日、その私の話を聞いた方が五年生のお嬢さんを連れてこられました。言葉はしゃべられないのですが、排尿の時の症状が、なんか痛いのではないかと。お腹からの超音波で子宮や卵巣の異常が無いか診たり、膣はちゃんとあるかベットの上で調べたり、おしっこを調べたり。それで異常はないので、心配されなくっても、となりました。そして。お母さんが一番心配なさっていること。バストも少しずつ出てきたし、そろそろ初経が始まるのではないかと。で、その手当です。丁寧に根気強く教えてあげるしかないのですが。

そこで、私がお話した「ピル」について。この頃ではピルも進化していて、年に三回それもほんの少量出血を起こせばいいような月経痛用のピルも出ているという事。それを聞いて、とても救われたと。昔だったら、月経の手当てが自分ではできなくて、でも止めることもできなくって、養護する保護者の方がとても困られていたこともありました。困った時には、相談にいらっして下さいねとお話しました。私の話を聞いて、本当に参考になったと言って下さって、私もホッとしました。

その後、私宛に、手をつなぐ育成会の事務局の方からお手紙が来て読みました。あんまりそのお手紙が素敵で感動したので、ここに転載させて頂きますね。

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 「   お 礼

 秋冷の候、10月を迎えさすがに朝晩には季節の移ろいを感じる頃となりました。河野先生には健勝にお過ごしのこととお喜び申し上げます。

 さて、先日は大変ご多用のところ「障がいのある人の体と性について」~思春期から更年期まで~と題して講演をいただき誠にありがとうございます。

 先生から、障害のあるわが子の性と向き合い方について多くのご示唆をいただき、かけがえのないわが子の成長に伴う体の変化や危惧されることへの対処について、腰を引くことなく正面から気持ちのいい言葉を選びながら関わることの大切さを学びました。

 講演のなかで、「性say生」をバイブルと紹介していただきましたが、性被害にあわない、加害者にならないためにプライベートゾーンをゆっくり手丁寧に繰り返し教えること、性は大切なものであり生まれてきた主体として自己肯定力を高め素敵な人生を送るためにも身だしなみを整えたり清潔な身なりに努めたり、恋愛も、と少しポジティブに思いに至りました。

 愛すべきわが子の自立とともに人生がエンジョイできるように支援者を増やし豊かな日々が過ごせるよう環境を整えていきたいと考えています。

 この度は、ご多用なところ貴重な研修の機会をいただけたことを心よりお礼申し上げます。

 これから紅葉の季節を迎え、山の木々は一瞬の輝きを見せるところになりますが、体調を整えにくい時季でもあります。どうぞお体をご自愛ください。

        (扱い:事務局  〇〇〇〇)」

最期の文章の美しさ!!それに、「・・恋愛も、・・」という一文に最も感動しました。
通り一遍のお礼状でなく、こんな暖かい文章を頂いたことに本当に心からお礼を申し上げたいと思います。
皆さまのご健勝をお祈りします。(という通り一遍のことしか言えない自分が恥ずかしい)

 

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