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「いやなことはいやと言いましょう」ではすみません。

もう何度も言って来たことですが。この頃、ちょっと「性教育」と言われているものに疑問を感じることがあって。

性教育って、何なのか。先日、ある所で「性教育って性のことをべらべら教える前に、もっとしなければならないことがある」と言われて。ああ、性教育を誤解されているなあと思いました。性教育って、「人間関係」であり、「人権」であり、そして、自らの「体」を知りいとおしむ。それらすべてを含む、とても幅広いものです。決して、「妊娠」や「避妊」や「性感染症」等だけを学ぶものではありません。

人とどんな関係性を作って、そう、その人と一緒にいると心が安らいで、力を合わせて共に生きて行く、そんな関係づくり。そのためには、相手を尊重する基本的な「人権意識」が無いと無理ですね。人に対するやさしさなど、人が喜んでくれたら自分も楽しい、でも、も必要な所では自分自身をももはっきり主張する事とか。それらをちゃんと学ぶことなのですね。

その上で。

「プライベートゾーン」。水着で隠される部分。これは自分だけの物であること。人に見せたり触らせたりされる所ではない事。人のプライベートゾーンを無理に見ようとしたり、さわろうとしてもいけない事。これは早くから教えたい。これらは、まさに「人間関係」であり、「人権感覚」でもあります。

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そして。これを無理に触られようとしたら、いやと言いましょう。いやなことははっきりいやと言いましょうと、教えられています。それが、私が疑問を持つ所なのです。

対等な関係で、例えば友だち同士とか。それなら、いやといえるでしょう。でも、そこに力関係がある時。いやといっても、強引に触れられることがあるかもしれません。その時のことがなんにも教えられていないという事。そこに疑問を持っています。さらに、犯罪者等、強引にする者は、それに脅しが加わります。「このことをだれかに言ったら、もうお母さんと一緒に暮らせなくなる」とか、「友だちにも会えなくなる」とか、中には、「勉強も教えてもらえなくなる」とか、色々です。そんな脅しがあった時、だれにも言えず、苦しむことになります。

「もしも、もしもいやなことがあった時、そんな時には、早く誰かに言いましょう。誰にも言うなよと言われた時にこそ、早くそれを誰かに言いましょう。誰でもいい、一人でいい、誰か言える人を探しましょう」と。これは、小さい子から高校生にまで知らせておかなければならないことですね。私は、生徒に講演をする時には、必ずこのことを言います。何もあってほしくないけれど、もし何かがあった時、起こった時にはと。

そして、大人の方には、「嫌な事は嫌と言いましょう」だけでなく、もしも何かつらいことがあったら、その時には私に言ってね。私はあなたの親なんだから、あなたがつらい時には、何があっても助けるよ。どうしたらいいか分からない時には、どうしたらいいか、一緒に考えるよ。そう日頃から伝えておいてあげて欲しいと。

だれにも言えなくて、つらくって、心が病んでしまった人、さらなる悲劇が拡大されてしまった人、そんな人たちに多く出会うからです。

こんな広島の恥!!の事件がもういつの間にか忘れ去られようとしています。この被害に遭った少女たちは、ほんとうにどれだけつらかったことか。ここまで拡大したのは、犯人である教師の脅しのために、誰にも言えず、小さな胸を痛め続けていたからなのですね。

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