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月経等の出血はできるだけ無い方がいい。

9月18日の水曜日に、奈良県立医科大学の小林浩教授の講演を聴きに行きました。子宮内膜症の癌化の話。重い月経痛を引き起こす子宮内膜症は、癌化することがあるので、定期的にちゃんと経過を見て行かなければなりません。その癌はなぜ起こるのか解明途中という話で、とても興味深く聴きました。その中で、もっとも強く印象に残ったのは、内膜症になるのも、がん化するのも防ぐためには、なるべく月経等の出血を起こさない方が良いという事。昔の人と今の人では、一生のうちに起こる月経の数が400回も多いと言われています。

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昔の人は初経がはじまるのも遅く、閉経も早く、一生のうちに子どもを産む回数も多く。出産後は母乳を飲ませるので月経は止まっているし、授乳が終わって次の月経があるとすぐに次の妊娠をしていたから月経は無いままだし。ですから、閉経まで月経はほとんどないままに過ごすことができていました。今は、早く初経があり、50才まで閉経せず、それに産む子どもの数が少なく、ですから、月経の回数も多くなるという事です。

月経や排卵が多いことにより、子宮内膜症や卵巣癌が増えてしまうということも分かっています。

先日も、保護者の方たちにお話する時に、低用量ピルは、今、排卵を抑えて避妊を確実にするだけでなく、月経痛を軽快させ、量も減らして、月経をとても楽にすること。だから月経痛に保険が適応される製剤ももう10種類も認可されていること。それに、今や毎月月経があるのでなく、年に三回、120日に一回や77日に一回出血をおこせばいいような低用量ピル(正確にはピルと言わず、LEP製剤と言います)が、保険で認可されているという事などをお話すると、とても驚かれます。もっとも驚かれるのは、ピルを長期服用すると、「子宮体がんや卵巣がんが減る。大腸がん等の婦人科以外の疾患も減る」といった事です。

日本では、多くの女性がピルというと、即「副作用」という風に洗脳されてしまっていますので。

今や、毎月ある月経をいかに耐えるかではなく、いかに「快適に過ごすか」という時代なのだということが、本当に知られていないのですね。月経等の出血は、できるだけ少ないほうがいいのだという事も。

せっかくひどい月経痛をLEP製剤で快適に過ごすことができるようになった高校生に、「いつまでそんなものもを飲むの」と学校の養護の先生に叱られてやめさせられたという事などを聴くと、ほんとうにガッカリしてしまいます。

そろそろ、今年も受験生が試験と月経がぶつからないようにするべく、ピルの処方を求めて次々と来られる時期になりました。大学受験だけで
なく、高校受験の中学生も。母親たちの理解が大分広がってきたかな?とうれしく思います。

 

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