「七人の墓友」
昨日は、午前中壊れた冷蔵庫の買い替えのために宮島口へ。無事新しいのが入って、午後は市民劇場。俳優座の「七人の墓友」を観劇しました。
亭主関白、その妻と三人の子どもたち、どこにでもありそうな典型的な家庭に起こる様々な出来事。妻をめぐる友達たち。笑いが一杯の演劇だけど、私には笑えないことが多くて。
次男が男性の恋人を連れて来て、自分たちはGAYであることをカミングアウトします。それぞれの家族が理解を示しますが、でも、みんな父親には言わない方がいいと隠そうとします。案の定、父親に二人で告げた時の父親の反応。会場一杯に笑いが起こりました。いえ、そういう演出だったのでしょう。
私には、先日診察室を訪ねてこられた性的違和の方のお母さんが浮かんできて。困惑と混乱。そこから「悩む子どものための力になろう」と変わるまでは、なかなかです。
それまで従順な妻であったお母さんが、夫に「あなたと一緒のお墓に入りたくない」と宣言して、皆がおどろきます。離婚はしないのだと。「この人は私がいないとダメな人なの」と。でも、死んでまで一緒にいたくはないと。
これらにそれまで威張りつくしていた父親はほんとうにびっくりして意気消沈します・・・。
それから、語り役の主人公は、妻子ある人と恋愛しているし。ラブホテルのベットまで出て来て、ふうん、こんな演出までするようになっているのかと。
私の診療の場で繰り広げられている様々な人生模様が、舞台の上で展開されました。
舞台の上ではお墓に誰と一緒に入る?というそれぞれの問いに、最終的には仲良しの友達たちとみんな一緒に、ということになりましたよ。それは、今、血縁に縛られてお墓のお守りもするというのではなく、血縁だけでない様々な家族の形態があるという、今はそんな時代なのだということを明るく示しましたね。しょんぼりの父親もみんなで受け入れて。
私、この歳になってやっと様々な患者さんに包容力を持って対応できるようになっています。時々内心つらくなることもあるけれど。こうして客観的にお芝居を観ることも私の癒しであり肥やしです。もっともっと優しく包容力を持って患者さんに対応できるように頑張りましょう。
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