性暴力救援センター全国研修会2日目
昨日は、朝から夕方まで「性暴力救援センター全国研修会」の二日目に参加しました。広島からの参加6人がひと塊に並んで聴きました。
これは、朝会が始まる前の会場です。全国から640名を超える方たちが参加しました。
午前中は性暴力救援センター全国連絡会に登録している全国の42団体から、それぞれのワンストップセンターの状況を一団体当たり2分での報告。名称や運営母体はそれぞれ異なりますが、どこも頑張っている様子が話されました。広島も私たちNPOが県の委託を受けて運営しています。大分支援体制も整ってきましたが、まだまだ課題はあって、走りながらの試行錯誤、一つ一つ改善していっています。報告にもありましたが、SOSの件数も増え、フル回転しています。
午後は、学習会「性虐待への対応~三者協同面接の課題性暴力救援センターの関わり方~」
講師は、三人の方。
山本恒雄さん。愛育研究所の客員研究員。1075年~2008年まで大阪府児童相談所(現子ども家庭センター)に心理判定員(現児童心理司)、青少年相談担当児童司などを経て現職。
雪田樹理さん。弁護士。2002年に女性共同法律事務所を開設し、主としてドメステックバイオレンスや性暴力・セクシュアルハラスメントの事件を行っている。大阪弁護士会人権擁護委員会性暴力被害検討プロジェクトチームにて、「性暴力と刑事司法」を出版。
そして、SACHIKOの加藤治子さん。
「三者協同面接」とは、私たちはこれまで「司法面接」と言っているのですが、子どもの事件の場合、子どもの負担を軽減するために、児童相談所、警察、検事の三者が共同で、代表の一人(主に検事)が一回だけ子どもから話を聴くという方法です。2015年、最高検、警察庁、厚労省との共同通知により始まりました。これまでの経緯や問題点、世界の状況などについてのお話でした。
中でも、加藤先生のお話から。
2017年、18年の未成年の性被害のうち、家族などからの被害を性虐待として、被害者の年齢分布は、性虐待の161人、それ以外の性被害135人の年齢分布をみると、性虐待はうんと幼い子、1歳から6歳までも、あらゆる年齢で起こっています。さらに、加害者を見ると、実父というのかせ一番多く、続いて実兄・義兄。それに続いて養父、義父、継父など。さらに、祖父というのもあります。
広島での事例で、まさか実父がと思うことがありましたが、やはり実父が一番多く、161人の被害の内、60人弱が実父からの被害なのです。愕然としました。
加藤先生のスライドから。
「子どもへの性虐待は、子どもが信頼をよせるべき監護人や兄からの性的被害が繰り返し、長期にわたり続くことは、子どもの性的人権が侵害されること。すなわち、「性の境界線」を構築できない状態で思春期を迎え、性的逸脱行動につながる可能性が出て来る。できるだけ早く発見、保護し、安全で安心な生活を保障する中で、自分の性を自己管理できる力を育まなければならない。」
また、性暴力救援センターか医師から児相へ性虐待通告をしても、警察から加害者捜査優先の要請があり、直ちに子どもを保護することができなかったとの事例の報告もありました。また、先に三者面接をして、その後で診察をすると、全くあわないこともあったとの事例の報告も。
その上で、産婦人科医師の対応についての具体的な教示もありました。
私自身も、これら学んだことを肝に命じて、これからの対応に当たりたいと思います。
このような会を今年もして下さったSACHICOの皆様に感謝します。
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