「少年院」の本二冊
私のような仕事をしていると、社会からはじき出されたというか、大人社会に怒っているというか、居場所がなくってしんどい思いをしている少女たちに出会うことがあります。中には、しんどいが故に、自分を傷つけてしまったり。自分の身や尊厳を守るすべもなく、そんな知識や考え方があることも知らず。まるで素手で巨大な力に立ち向かっているような。痛々しくって、どうしてあげたらいいのかと悩むこともあります。自業自得というには、あまりに未熟な彼女たち。
1985年に、私はそのような彼女たちとの悪戦苦闘を「さらば悲しみの性」という本を書きました。その中の何人かの少女たちとは今も付き合いがあります。彼女たちの多くは、母となり、または孫のいる人もいます。そして、たくましいものだと思います。少女時代にあんなしんどいことがあっても、人間、すてたものではないと。いえ、そんなことがあったからこそ、それらが血肉となって今があるというような。
この度、二冊の本を読みました。
私が出会うのは、少女たちですが、この本には、少年も少女もいます。少年院に入った彼らが、その後どう立ち直って行ったか、それぞれの人生が語られています。彼らの、後輩たちへの目は暖かく、見守っています。
援助交際などで14才から15才まで女子少年院に入っていた少女は、今はたくましい大学生。暴走族、覚せい剤などの沢山の事をやった人が牧師さんになったり、新聞記者になったり、教師を目指していたり。
一人一人の人生に深く感動しました。そして、少年院での生き直しの教育が素晴らしく、出院後、その彼らの社会復帰を支えるべく、みずからも少年院経験者だったり、またはサポーターだったりする人達が「セカンドチャンス」というNPOを作って活動していらっしゃることも知りました。
さらに、その活動が、決して出過ぎず、でも、少年たちを確実にサポートしていらっしゃる姿にまた多くのことを教えられ、感動しました。世の中、えらい人達が沢山いるなあと。
少年法の適用年齢の引き下げが検討されています。でも、こうして少年院での教育が少年の立ち直りに大きな力を持っていることを知ると、その適用の変更は慎重にされないといけないという事がよく分かりました。
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