SNSによる被害④
私が中学生に話をする時、本当は風俗についても話をしたいけれど。これは、将来、気軽に働こうとしても、こんなリスクがあるいう事を知って欲しいし、男性に対しても、性感染症などのリスクがあるという警鐘になるので。でも、今、中学生に風俗の話はできません。何とか伝えたいと思ってるのが、こんな方法です。
「私は、今日ここで、体や性について医者らしく、科学的に教科書にある様に、きれいに話をするつもりは全くありません。私の現場で毎日起こっている悲しい話、残酷な話をいっぱいして、皆さんたちを脅してやろう、そして、少しでも性の世界から遠ざけてやろう、とそう思って来たのでもありません。
私はこう考えています。この中のほとんどの人が、まだ中学生でピンとこないかもしれないけれど、いつかはきっと性の世界に向き合う時が来る。多くの人が経験するのであれば、これだけは知っておきなさいよ、これを知らないから問題なんだと、それを話しに来ました。」
「素敵な性が実行できる素敵な大人になって欲しい」と呼びかけます。そして、素敵な性って何だろうね、と。やっぱりコミュニケーション、人間関係ですね。
でも、人間関係を作れと言ったって意味ありません。具体的に話ができないと。まるで「命の大切さ」を話すのに、「命は大切です」と何百回言ったって実感を持って受け止められないのと同じです。
びくびくしながら、警戒心を持ちながらの性も、決して素敵な性にはならないという事も。だれかに知られないかしら、親にばれたらどうしよう、妊娠しないかしら、そして「この人はどんな人なのかしら」などなど。これは、出会い系サイトでの性に起こります。今は、出会い系はなりをひそめて、替わりに「SNS、掲示板などでの出会いですね。」ここから、②で書いたことにつながって行きます。
やさしそうな人だと思ってついて行ったら、突然相手に殴られたと。殴る人、サディスト?
「密室に二人っきりになるという事は、命を危機にさらすこと。声を上げたって聞こえやしない、逃げようとしたって逃げられやしない。彼女は殴られて、けられて・・・」
「今や、男性だって、女性に殺されるような、そんな時代なのだから」
「全ての警戒心も解き放って、心まで裸にして、裸の心と心で向き合える性でこそ」
「密室に二人っきりになる」という、ここでの話から、将来、少しでも風俗でアルバイトをしようかと考えた時に思い出して欲しい。SNSで知り合って、会っただけで、「感じいいか、そうでないか」だけでついていく、そこにブレーキをかけて欲しい、そんな期待を込めて、話をしています。
私は、今週の木曜日、大阪で中学生に話をします。私の話を他の学校で聞いた校長先生が、今の学校の生徒にも聞かせたいと思ったからと、直接電話をかけてこられました。ありがたいことです。
大阪も、学内へのスマホの持ち込みを検討していると聞きました。大阪の先生方に、ぜひ私の話を聴いていただきたいですね。もし、聞きたいとの希望がありましたら、具体的に学校名や時間などをお教えしますし、その学校の許可をしていただくように私が手配いたします。
このシリーズ、長々と読んで戴いてありがとうございました。
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