オフィスギネコロジストの会
昨夜は、恒例オフィスギネコロジストの会、ビル開業の産婦人科医の会でした。この会では、いつも指定された三人が話題提供を行います。内容は何でもO.K.。自分が最近読んだ本でも、旅行したことでも、こんな症例があったという事でも。昨日は、学術的なことが集いました。とってもいい情報を教えて頂いたので、皆様にもおすそ分けです。
まず、更年期の方たちのホルモン補充療法について。更年期だけでなく、先日もお知らせしたように、繰り返す膀胱炎のように体から女性ホルモンがなくなった時の様々な深刻な症状は、ホルモンを補うことでとても楽になります。で、楽になった方がいつまで続ければいいのでしょうとよく尋ねられます。私は、あなた次第。もうやめようと思えばやめていいし、もっと続けたいと思えば、続けてもいいしとお答えします。
日本では、ホルモンを使えばがんになるという事などが、広く伝えられています。
子宮のない方には、エストロジェン単独に投与されますが、子宮の有る人には、プロゲストン、黄体ホルモンもともに投与されます。これは、子宮体癌の予防のためです。ですので、子宮体癌は増えません。子宮のない、エストロジェン単独の人には、乳がんリスクはなく、むしろ減少させます。
以前、アメリカの学会で発表された乳がんリスクが増えるとするデータは、とても肥満の人が多く、そもそも乳がんリスクの高い人たちのデータが多く、日本人などのアジア人には、そのリスクを認められないのですね。
今回提示して頂いたデータは、ホルモン補充療法(HRT)と静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクについてでした。
やはり、いわゆるパッチ、おなかに貼って皮膚から吸収するタイプの製剤は、リスクとは関係がないという事でした。
今、基本的にパッチをお勧めしますが、どうしても皮膚がかゆくなるという人には、内服に変えることがあります。でも、やはりこの結果を見ると、かゆいのは塗り薬を使いながらでも、何とかパッチを継続した方がよさそうです。
これら、いろいろなデータから、今、ホルモン補充療法は5年間はしても良いというのは、日本でも撤回され、何年でもしてよいということになったということです。
それに、お薬をお出しするのに、定期的に通って来られますので、がん検診を忘れずにできるという事もメリットですね。私は、自分自身に9年間HRTをしました。
それから、HPV、子宮頸がんの原因となるウィルスですが、その他のがんにも深く関係しているというデータです。
これらから、男性にもワクチンを打ったほうがよいのですが。
ここから、ワクチン論議になりました。反ワクチンを唱える人もいますが、アメリカに留学していた先生たちは、子どもを幼稚園に入れる時に、ワクチンを接種しているか厳しく問われ、接種していないのが一つでもあると、幼稚園には入れてもらえないという事でした。
そういえば、大学に留学する人も、ワクチン接種を厳しく問われ、まだうっていないのは、急いでうつようにという事で、大慌てしたこともありました。
日本は、ワクチン後進国であることは間違いありません。
会では、この後、内視鏡手術についてのびっくりのデータが出されました。明日に続きますね。
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