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「ぼけますから、よろしくお願いします。」続き

「ぼけますから、よろしくお願いします」の映画を観た後、ずっと頭に残り続けています。感動というのではないけれど、何が一番心に引っかかっているのだろうかと思ったら、いくつかに集約されます。

お父さんは、未だに知識欲一杯で家事の合間に、読書。新聞もなめるように丁寧に読み、切り抜きをしています。お母さんは、かつては書道の大家で、大きな会の全国表彰もされる姿も映画に流れます。料理も裁縫も素晴らしく上手であった母親がだんだんと何にもできなくなってしまった。なによりつらいのは、本人。それを回りがどう支えればいいのか、そのことをよく教えてくれました。

これを観て、やはり私自身の両親を想いました。この映画監督のように、私は両親に優しかっただろうかと。映画の中の彼女、両親の一人娘はとてもやさしい。呆けたことは、何より本人自身が一番苦しいのですね。自分の記憶がおかしくなったことを、「どうしてじゃろう」と嘆く母親に、娘はあくまでも優しく接しています。身内は、時にぼけたことを責めがちです。責めてはいけないのですね。この映画は、それを丁寧に教えてくれます。

それから、もう一つ。私は昨日、子どもへの愛と簡単に言いましたが。具体的には、仕事をやめて帰ろうかと悩む娘に、父親が「介護はわしがする。あんたはあんたの仕事をせい」と言います。それについて、ご本人はこのように書いています。

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義母が心臓を病んだ時、そばに義姉がいるので安心と思ていましたが、それが問題だったのですね。長男である夫夫婦、私たちが実家に帰って、介護をしなければならなかったのです。月に二回は帰ってお世話をしていましたが、それではいけませんでした。時々帰るのではなく、広島を引き上げて同居して義母を看なければならなかった、それをしなかったから、私たちは問題だったのです。


もう少し、映画の公式ホームページから。

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監督が乳がんになった時、抗がん剤で髪が抜ける姿もじっと撮りつづけているのですが。そのお母さんが素晴らしかったです。どっしりと肝を据えて、共に嘆くのでなく、本当にユーモアで娘を支え続けます。

この素晴らしい親子の姿がやはり一番ほのぼのと残りました。

監督はこんな人。呉に育ち、広島大学付属高校から、東大文学部に入学。そっかあ、お父さんには、自分が戦争のために行けなかった大学に娘が行き、仕事を頑張る姿は自分と重ね合わせて喜びであり、応援なさっているのでしょうね。


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今後の彼女の仕事にも注目したいです。

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