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福山の特別養護老人ホームで。

福山の芦田中学校での講演の帰り、特別養護老人ホームに行きました。同じ福山だからと思って行こうとしたのですが、ずいぶんと離れていました。ナビを頼りに、狭い道、渋滞の中をずっずっと行って、最後は車が落ちないように気を付けなければならないあぜ道のような所を通って、うんと最後は急な山道で。

そこは、人里離れた、小高い山の上にありました。

私が、前の病院に勤務していた時から、30年以上診ていた患者さんが、この度、そこのホームに移られたのです。

彼女は重度の脳性麻痺でした。車いすの生活で、一人暮らし。訪問介護等の力を借りて、自立していました。この頃は、あまり食欲もなく、食べられない時には、点滴に来られていました。しかし、介護の人の人手不足もあり、夜そばについてもらえる人もいないこともあって、ホームに入ることを決心されたものです。

移られるにあたって、そこへの紹介状、これまでの経過を書いてお渡ししなければなりませんでした。突然、「お別れに来ました」と言われ、福山のホームに移るからと。膨大なカルテを見ながらの紹介状を即座に書くことはできませんでした。彼女の書類だけでも、沢山ありました。定期的に書かなければならない生活保護医療の申請書、障がい者区分認定申請書、訪問介護指示書、訪問看護指示書、おむつ使用に関する書類などなど。それらを包括した紹介状が必要でした。

時間をかけて作り上げたその紹介状を持って行くことも一つの目的でした。それに、ちゃんとお元気でいらっしゃるかも心配でしたし。


彼女はお元気でした。ちょうど夕食のためにみなさん食堂に集まっていらっしゃる時でした。私の突然の訪問にびっくりされました。まだ時間があるという事で、お部屋に行って話をしました。車いすで移動です。両手が使えない彼女は電動車いすを顎で操ります。前には、いっぱいお人形がぶら下がった楽しい車いすです。お部屋にはベッドが四つ並んでいて、カーテンで仕切られています。

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車いすに差し込んでおいてある箸を口にくわえて、携帯の番号を押して、電話をかけることもできます。

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2人並んで写真も撮りました。今度現像してもって行きます。心配していた食事は、「おいしいよ」という事で安心しました。何よりいつも職員の方がいらっしゃることが安心でしょう。職員の方たちは皆さん明るく親切です。

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帰る時には、もう真っ暗。どうぞ宜しくとお願いして、帰りました。道から落ちないようにと真っ暗な中をソロソロと運転しながら。長い付き合いだったけど、最後まで見てあげることができなくてごめんねと胸が痛い思いで・・・。

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