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「命の大切さ」

先日から続けて若い人2人の訃報に接しました。二人とも、私の患者さんです。事故なのか、事件なのか、自死なのか・・・。どちらの方も病死ではありません。
その二人について、それぞれ警察と検察に報告を書かなければなりません。気が重く、とてもつらい作業です。一体なぜ?カルテを見ながら、ああ、この時にもう少し話をすればよかった。悩んでる?とか、あなたがしていることはアブないことだとか、もう少し話し込めばよかったのか。

一体何があったのか、お話を聞きたくて連絡を取ったご家族は泣かれます。こちらは、かける言葉もなく・・・。そう、いずれにしても、死んでしまってはおしまいではないの!!という思いでいっぱいになります。私は、もっと時間を取って話し込めばよかっただと、自分を責めます。

こんな時、どなたが初めに言ったのか分かりませんが、「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉が頭いっぱいになります。そう、死んでしまっては、傷をいやすこともできやしない。かすり傷の間に、何とか対処できなかったのかと。


今日、福山の中学生に話に行きます。

よく、「命の大切さ」と言われます。特に性教育の現場で、性教育をよくわかっていない人が、人工中絶を「殺人」と脅し、若者の性行動を抑えてやろうと。命を大切に、中絶は殺人だと。違う、そんなことで若者をの性行動を抑えられるわけが無い。そもそも、彼らは、「妊娠したらら中絶しましょ」と思っているわけではないのに。脅せば脅すほど、若者たちは中絶ずできなくなります。若者たちは「産みたい」と言います。殺人は嫌、と。それをよってたかって「おろしなさい」というのは、大人たちなのですね。中絶しなければならない時は仕方がありません。その後、また強く生きていけるように、その立ち直りこそ大切なことだと思います。


「命の大切さ」は、何より「自分の命」を大切にしてほしい、死なないで。生き抜いて欲しい。生きていればこそ、と思うのですね。生きる底力を身に着けて欲しいのです。それになにより必要なのは、人間関係ですね。コミュニケーションづくり。

そんなことを私の話を聴く中学生が感じ取ってくれればと思います。


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先日、ミカン狩りに行った時に、友人の一人が図書館の本交換会で私の初代の「さらば悲しみの性」が出ていたと。持ってきて下さいました。捨てられる所を拾ってくれたのですね。その本の初めには、写真が出ています。赤ちゃんが生まれる所です。そこに写っている私、若いです。ああ、33年前です。まだ私が30代でした。はは、若いはずですね。懐かしい。


そのころから、ずっとずっと同じことを繰り返し言って来て、でも、ちっとも変わらないで。いえ、ますます若者をめぐる状況はひどくなってきて。まあ、それを嘆いて、この本のあとがきにも書いているのですが。


「命を大切に」・・・?頑張りましょう。

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