全国シェルターシンポジウム③
さっぽろは私は一泊二日で行ってきましたが、駅、ホテル、会場は全て歩いて行ける範囲でした。その行き帰りで、こんな紅葉が見られて幸せでした。旧北海道庁の赤レンガの庭です。
庭の中に入ると
二日目の分科会の午前に私が出席したのは、「若年層へのDV予防教育の内容と効果」でした。日頃性教育に関わっている身、そして診療の場では、望まない妊娠をする女性たちの姿を見ている身としては、基調講演にもあったように、「同意のない性」はDVであるということを基本に、産んでも育てられない状況にある時には「避妊の無い」性はDVであることをしっかりと伝えて欲しいと思っています。DV、身体的暴力、言葉による暴力等には、必ずと言っていいほど、性がくっついています。その性にも突っ込んで欲しいし。それに、避妊の内容、例えば膣外射精や「安全日危険日」は避妊ではないくらいのことは、高校性のプログラムであれば、必ず入れて欲しいことだと思います。
その意味で、「性教育」と「DV予防教育」は、本来一体のものなのだけれどなあと、少々残念でした。
そして、午後の分科会「高齢者虐待?それてもDV被害?」これは、私にとっては刺激的でした。この講座を受け持ったのは、室蘭のNPO法人「ウィメンズネット・マサカーネ」。まさか-ねは、南アフリカのズールー語で「みんなで力を合わせよう!」「お互いに信頼し、強力し合おう」という意味だそうです。
ここからは、事例の報告もなされました。「同居している息子からの暴力で行き場がない」「酒乱の夫からの自立を決意」「介護中の夫からの暴力で避難、介護放棄?」などなど。中には、自立~施設入所まで15年間支援を続けたという方もあると。
高齢のDV被害者の課題として
・一人で生活する能力があるか?(社会性、経済力、健康など)
・加齢に伴う能力の低下の度合いは?
・高齢福祉の制度(介護保険制度)の複雑さと決定までの時間の長さ
・シェルターを出た後の受け皿が少ない
尚、大切な提言として家庭内の暴力に対して、日本では児童虐待防止法(2000)、DV防止法(2001)、高齢者虐待防止法(2005)、障がい者虐待防止法(2012)と個別に対応しているが、世界的にはファミリー・バイオレンスという視点で、包括的な対応をしていると。
これについて、前日の全体会のシンポジウムでも発言されたシンガポールのハムザ・アブダル ムタリブさんのお話がとても示唆に富んでいました。
まだ続きますね。
今日は、どうしても「私たちは買われた展」に行かなければ。広島では今日が最終日です。以前、滋賀県大津で展示を見ましたが、せっかく広島であるのですから、もう一度見ておかなければ、です。
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