特別養子縁組について、少し。
今日は、診療後東京に行く予定です。明日のセミナーに参加します。台風、どうなのでしょう。行くことは多分できるけれど、帰れるのでしょうか・・・。
先日、うれしいことがありました。私のお世話で特別養子縁組をした子の就職が内定したと、お母さんが写真を持ってきて下さいました。彼は、私のクリニックで高校生が産んだ子です。おなかが痛いとクリニックに飛び込んで、そのまま内診台の上で出産しました。
特別養子で育てて下さった養母は、時々クリニックに連れて来て下さったり、写真を見せて下さったり。ずっと成長を見させて頂きました。両親にかわいがられて、しっかり育ててもらっていることがよく分かります。以前、私が代診の先生にお願いして、学会に行っている時に来てくれて、手紙を残してくれました。これをカルテに貼っています。もう色が変色していますが。
就職内定、おめでとう。ここまでよく頑張りましたね。今、すっかり大人になっている写真を見せてもらって、とてもとてもうれしいです。さあ、いよいよこれから自立して生きて行くのですね。近くに行った時には、連絡するかもね。(彼は、自分が特別養子縁組で養親に育ててもらっていることは、小さい時から知っていますのでここに書いても大丈夫です。)
8月に厚労省の指示で特別養子縁組の民間あっせん事業者が集まった時も台風でした。また台風ですねえ。
その時、様々な事業者の方にお会いしました。中には、事業として有料で行っている所の、あまりの金銭感覚にびっくりしましたが。それでも、本当に善意でこじんまりとあっせんしているかたのお話も聞きました。
東京よりずっと遠い所の方ですが、ダウン症などの「障がいの有る子」のみの養子縁組をあっせんしている方もありました。大変困難なことを頑張っていらっしゃる姿に頭が下がります。
米軍の基地の近くの方は、黒人の子が生まれることがあると。このような子は、日本よりもアメリカで育った方がいい場合もあると。今後あっせん事業が届け出制から許可制になって、変わることの一つに、養子縁組先は、国内優先でと指示されていることに、この方は、クレームをつけられました。
これから、あっせん事業者は、年に5回の研修を受けることが義務付けられます。私も、5回も診療を留守にして研修を受けるというのは、とてもきついのですが、その遠い所の方は、研修のための交通費だけでも、負担が大変だとおっしゃっていました。
私も、許可の申請をしましたが、いくつか不備があって、まだ完了していません。それが完了しても、許可されるかどうかも分からない状況です。そんな状況ですが、今も二人の赤ちゃんの養子縁組の手続きが進行中です。
一週間前の岡山でのペンギンプロジェクトの立ち上げの会に講演に行った時にも思ったのですが。周りに相談できる大人が一人でもあれば、この女性はここまでならなくても救われたでしょうに、と思うことがしばしばあります。
先日の、判決があったという高校生の殺人事件。高校生同士の妊娠で、彼女が彼に殺してくれと頼んで殺してしまったと。そんな事件は、もう、ごめんです。若者が大人に相談する勇気あれば、そして大人の側が若者の思いを受け入れる度量があればこそと思います。
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