障がいのある人の性教育について①
先日、7月の末に行った島根県立益田養護学校の校長先生からお礼のお手紙が来ました。講演の前に用意して下さっていたお弁当を食べながらお話して、ああ、発想の柔らかい校長先生だなあと思っていた方です。ここの講演については、すでにご報告していますが、
その校長先生からのお手紙を転載させていただきます。
『 謹啓 残暑の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、先日開催しました構内顕彰会におきましては、酷暑のなか、公務多様の檻にもかかわらず、「障がいのある子どもたちの思春期と性」として大変貴重なお話をしていただきました。
「性はたいせつなもの・すてきなもの」といった自分を大切にする自己肯定感を育むメッセージを伝えることの大切さや、具体的で分かりやすく、丁寧でゆっくりと子どもたちへ伝えること、そして性暴力の加害や被害にあわないように、プライベートゾーンや嫌と言える勇気を持てるようにすること、また、LGBTへの理解まで多岐にわたってご教示いただきました。改めて子どもたちに関わる上での姿勢を再確認し、責任の重さを感じ、身が引き締まる思いがいたしました。
そして、貴重な書籍や資料もお貸しいただき、先生のお話をあわせて本校の性に関する指導の充実に生かしていきたいと思っております。重ねてお礼申し上げます。
今後とも、ご指導、ご鞭撻いただきますよう、だよろしくお願い申し上げます。
益々のご活躍とご健康をお祈りし、暑中にてお礼申し上げます。
謹言
(以下略) 』
このお手紙を読んで、「ああ、伝わった」とうれしかったのです。通り一遍の令状ではなく、太字の部分です。
生まれて来たこと、体の勉強を丁寧にゆっくり時間をかけて。
知的障がいのある子どもたちというのは、社会や身近な人からでさえ、自己肯定感を持て持てないような対応をされがちで、つらい思いを抱えがちです。そこに、自分自身が生まれて来たことの喜び、自己が大切なのだという思いをも持てるようになって欲しいと思っています。
それから、「プライベートゾーン(水着で隠れる部分)は自分だけが見たり触ったりしてもいい所。人に見せたり触らせたりしない事、人のを無理やり見たの触ったりもしない事」
更に、LGBTについては、知的障がいがある人にもあることです。それが、自分でもちゃんと理解できないままに、つらかったり、自己に否定的になったり、どうしていいのか分からないままに問題行動になることもあり得ます。
講演を終えた後、校長室に帰った時「さあ、これから。なにから取り組みましょうか」と担当の先生におっしゃった校長先生です。さらにこのお手紙をいただいたことで、これら先、これらに取り組んで戴くことに、期待できそうと、とてもうれしく思いました。
一週間前には、香川県立中部養護学校にお話に行きました。そこでのお話、障がいある人の性教育について、続きます。
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