オウム真理教死刑執行について
ひどい雨が続いていて、被害が沢山出ています。これほどの雨がずっと続くなんて。普通、ひどい雨でも、その内おさまるものなのですが。こうしてみると、私が雨のために列車が動かなくって閉じ込められた話だとか、講演ができなかったことなど、小さなことでした。どうぞ、これ以上の被害が出ませんように。
私は診療を行いますが、スタッフはどうなのか。中には避難指定地区に住んでいる人も何人かいるので。
昨日の、雨による被害と共に震撼とさせられたのは、オウム真理教の幹部たちの一斉の死刑執行でした。
胸が痛いです。犯した罪の大きさから、死刑制度のある法治国家の日本なので、死刑は当然という意見もあるけれど。特に、あの坂本弁護士一家の殺人事件、あまりにひどいし。地下鉄サリン事件、こんなことでどうして国家が乗っ取れると思ったのか。
あの沢山の優秀な若者たちがどうしてこんな罪を犯すに至ったのか、どうにも分からないままでいます。麻原氏がどうしてそんなにカリスマ性があったのかも、さっぱり。私から見ると、単に自己顕示欲が強い、自分は天下を取れるという勘違いをしたおじさんにしか見えません。
でも、社会で苦闘する多くの若者たちが、そこに引かれて行った、何かがあるのでしょう。その何かが知りたかった。もしかすると、私だってそうだったかもしれないと思うのです。
あの当時、逮捕された医師である中川氏のお母さんが気丈に語っていたことが忘れられません。
「もう、こちらに戻ってくることはありませんが。せめて心だけはこちらに戻るようにしたいと思っています。」と。声もはっきり私の耳に残っています。このお母さんは今、息子の死刑執行をどう受け止められているのか。痛いですね。
子どもがこのようなことになりつつあると感じた時、親はどうしたらいいのか、何ができるのか。それも分かりません。
いろんなことが分からないまま、残りの人達も死刑執行されて、これですべて終わりとなるのでしょうか。
それにしても、50年前、私は大島渚監督の「絞死刑」を見てから、死刑は本当に怖いし残虐だと思っています。自分がこれから死刑を執行される知らされた時、どんな心境なのか、それを考えただけでも戦慄の思いです。勿論、死刑囚に殺された被害者や遺族の無念さも考えた上でのことです。
今朝の我が家から。本川は茶色です。雨は今は小康状態ですが、これからまだひどく降る様です。
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