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幼い子の性的違和・性同一性障害②

女の子に「男なのにスカートをはいてはいけんのんよ」と言われた次の日、Aちゃんは学校を休みました。そして、担任の先生が子どもたちにお話されたそうです。

「先生は、女ですけど髪が短いです。変ですか?」と。そしたらみんなが

「変ではありませーん」

と答え、今度は先生が

「先生は女ですけど、スカートではなく、ズボンをはいています。おかしいですか?」

「おかしくありませーん」

とみんなが答えたと。先生からお話をきいたお母さんの言葉ですので、先生の言葉は、一字一句正確ではないかもしれません。

そしたら、何と子どもたちの中から

「みんなちがって、みんないいでしょう?」

との発言があったのだそうです。始業式の日に校長先生がおっしゃったことが、こんなに子どもたちの中にしっかり生きていることに、逆に先生がびっくりなさったのだと。

そして、Aちゃんのことについても、子どもたちにお話をされたそうです。その上で先生から、もう大丈夫ですからと連絡があったそうです。「スカートをはいたらいけんのんよ」と言った女の子もAちゃんにあやまったそうです。

文部科学省の通達、「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)」の中には、様々な具体的な指導が記されています。

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その内容は感動的でもあります。それでも、他の児童・生徒に対する指導の具体的な方法は書かれていません。現場の先生方は戸惑われることもあるでしょう。これらのことが記されていても、では具体的に他の子どもたちにどう指導すればいいのか、それは、試行錯誤でもあるでしょう。このAちゃんの学校では、その後も修道大学の河口先生等の助言を受けながら、保護者の方とも、緊密に連絡を取りながらの取り組みをされていることが、効果的になっているのだと思います。

文科省の通達の一部をコピーしますね。中にわずか、人権教育という言葉が出てきているのに、ホッとします。


  • 性同一性障害に係る児童生徒の支援は、最初に相談(入学等に当たって児童生徒の保護者からなされた相談を含む。)を受けた者だけで抱え込むことなく、組織的に取り組むことが重要であり、学校内外に「サポートチーム」を作り、「支援委員会」(校内)やケース会議(校外)等を適時開催しながら対応を進めること。
  •  教職員等の間における情報共有に当たっては、児童生徒が自身の性同一性を可能な限り秘匿しておきたい場合があること等に留意しつつ、一方で、学校として効果的な対応を進めるためには、教職員等の間で情報共有しチームで対応することは欠かせないことから、当事者である児童生徒やその保護者に対し、情報を共有する意図を十分に説明・相談し理解を得つつ、対応を進めること。


     他の児童生徒や保護者との情報の共有は、当事者である児童生徒や保護者の意向等を踏まえ、個別の事情に応じて進める必要があること。



    教職員の資質向上の取組としては、人権教育担当者や生徒指導担当者、養護教諭を対象とした研修等の活用が考えられること。また、学校の管理職についても研修等を通じ適切な理解を進めるとともに、学校医やスクールカウンセラーの研修等で性同一性障害等を取り上げることも重要であること。


    性同一性障害に係る児童生徒や「性的マイノリティ」とされる児童生徒は、自身のそうした状態を秘匿しておきたい場合があること等を踏まえつつ、学校においては、日頃より児童生徒が相談しやすい環境を整えていくことが望まれること。このため、まず教職員自身が性同一性障害や「性的マイノリティ」全般についての心ない言動を慎むことはもちろん、例えば、ある児童生徒が、その戸籍上の性別によく見られる服装や髪型等としていない場合、性同一性障害等を理由としている可能性を考慮し、そのことを一方的に否定したり揶揄(やゆ)したりしないこと等が考えられること。

この項、まだ続きますね。

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