幼い子の性的違和・性同一性障害③
子どもの内からそんなに決めつけない方がいいのではないの?という人がいます。現実に、MTFの子どもが入学する学校の校長先生がそういう対応をされたこともあります。講演を聞いた針間先生も子どもの場合は見守るようにということをおっしゃっていました。でも、決めつけではなく、ご友の希望にどう寄り添うかという事なのであって、何もしないという事ではないと思うのです。
性同一性障害の人がいつごろから自分の性別に違和感を抱いたかという調査があります。岡山大学の中塚先生のデータです。
MTF(体は男、心は女)の人は70%近くが小学校入学以前から違和感を抱いています。さらに。その違和感を誰にも言わず、一人抱え込む傾向にあります。
先日、この本を読みました。
自分が性同一性障害ではないかと私のクリニックに来られる方でも、すでに親に言っているという人は実はとても少ないのですね。そして、それを子どもから打ち明けられた時、保護者の方は、それは動揺されます。中には、何とか治療を止めてほしいと私から説得してほしいと涙ながらに言って来られる親ごさんもあります。勿論、私が治療をするのを止めることはできません。逆にお母さんを説得しなければなりませんが、そう簡単なことではなく、私にできるのは、書物をお渡しして読んで戴くこと、知識を得て頂くことくらいです。
アキラの著者の方も、それは苦しみながら、子どもに寄り添っていく、その姿が痛々しくもあり、感動的でもあります。
親が子どものことを理解して、寄り添っていくなら、その子は本当に救われていきます。いろいろと大変なことが起こっても、親子で乗り切っていけます。まだ子どもが幼い時には、子どもに代わって保護者の方が学校と向き合わなければならないでしょう。
今回は、その親子さんと学校の取り組みの一部をご紹介させていただきました。ここに、新聞の切り抜きがあります。以前、このお子さんが小学生の時に、この子のことを紹介する新聞を読んだことがあります。その後どうなったかなあと気になっていました。これから、いよいよ手術などに取り組まれるのでしょう。まだまだ大変な道のりが待っています。
https://sa-chan.net/post_lp/cocoiro-hiroshima/
読んで頂いてありがとうございました。私たちも、これからもそうして悩んでいることもだちに寄り添っていきたいと思います。
私は今日は福山の中・高生に講演に行きます。これからの若者たちが少しでも心豊かに生きていけるように、ささやかでも頑張ってお話したいと思います。
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