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私が特別養子縁組のお世話をする理由②

昨夜、最終の新幹線で帰って来ました。今朝早くに妊婦さんの腹痛でクリニックに飛んできましたので、今はこれをクリニックで書いています。あわただしくも、楽しい東京行きでした。

昨日の産婦人科医のための女性保健医療セミナー、とっても楽しく参加しました。また、改めてご紹介しますね。

途中、抜けて養子縁組の養親希望の方の家庭訪問に行きました。東京の方ですが、夫が広島出身の方ですので、当方に依頼がありました。既に東京都の「養子縁組里親」の研修も受け、登録されている方です。東京都の方で早くにお話が在れば、それでもいいし、私の方が早ければ、それでもいいし。両方に申し込みをなさればいいと思います。

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とてもいい環境にお住まいがありました。私は、赤ちゃんを育てようとする方は、自身で住環境のことなどを考えられるので、わざわざ家庭訪問などしなくてもいいと思うのですが、一応義務付けられているので、この機会にお伺いしました。

そして、ご夫妻に養子縁組をするための心構えなどをお話ししました。

ある養親希望の方の所で、実母とは合わない方がいいとアドバイスされた方がいます。「会って、いいことになったことは一例もない」と言われたと。私は、「そんな養子縁組はしてはいけません」と言いました。おそらく、会う時に、実母の方が「自分で育てたい」と言い出すのだろうと思います。または、実母の様子に、養親の方が悪印象を持つという事もあるのかもしれません。

手離して養親に託すことを、つらくともしっかり決心できていないうちに手離させてはいけません。あくまでも本人が決心すること。

それから、妊娠した当事者、男性と女性がまだつながっている内にも、手離させてはいけません。二人の仲が破綻している時でないと。後から二人が結婚して、あの赤ちゃんを返して欲しいと訴えた事例があります。勿論、私のお世話で養子縁組をした人ではありません。

養親の方たちが、「産んだ子を手放すのは、つらいでしょう」という思いやりをもって接すれば、おのずから実母に感謝する気持ちも沸いてくると思います。

その先ほどのアドバイスをした方は、「会っても何も言わない方がいいです」と言われたと。なんと。まるで、実母が邪魔者のような考えですね。邪魔者ではなく、「産んでくれた人」なのに。

この違和感は何だろうと考えました。それは、私が事務的にことを進める人と違って、産む人のしんどさをずっと見た来ているからだと思いました。産むしかないとなった時、自分では幸せに育てる力がせないと認めざるを得ない時、そして、猛烈な陣痛を乗り越えて赤ちゃんを産み、産声を聞いた時、それらの時々のしんどさを通り越して、赤ちゃんをどなたかに託したいと考えるのは、それは壮絶なものがあります。

養親に会って、お願いしますと頭を下げたいのも、当然の思いでしょう。勿論、「会わなくてもいいです」という方もあります。会いたいと言う時には、その思いを汲んであげてたいと思います。あくまでも本人の思いを尊重したいと。

 もちろん、何でもいうことを聴いて上げはしません。例えば、「毎年赤ちゃんに合わせて下さい」と言った人がいます。「それはダメです。子どもが混乱するからね。特別養子縁組で赤ちゃんを手離すというのは、親子間が断絶すると言うこと。いつまでも親であることはできないのだから」とそれはきっぱりと言います。時間はかかっても、あきらめてもらわなければなりません。

それら、きめ細かく心配りをして、養子縁組のお世話をします。ずっと両方のケアをすること。それは私の義務でもあります。

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