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村中璃子さん、授賞式での講演2.

日本の女性行政は実はとても貧しいのです。保育所が少なくて働くことができないとか、女性の職場は圧倒的に非正規であるとか、それらはよく知られていることです。それよりも、女性の体に関することfはほとんど知られていません。

例えば、低用量ピルが日本で認可されたのは、欧米に遅れること40年です。とっくに臨床試験も終わり(私たちも大学病院時代や勤務医の時代にはこれでもかというほど試験をしました。)もう認可されるだろうと待ち続けました。認可されないから、日本の女性たちは中用量ピルを使うしかありませんでした。

やっとやっと認可されたと思ったら、すさまじい「副作用」宣伝です。副効用については、何ら触れることなく。例えば、避妊だけでなく、月経痛が楽になるとか、子宮内膜症の進行が抑制されるとか、卵巣がんが減るとかそんなことはほとんど知らされることがありませんでした。

緊急避妊薬の「ノルレボ錠」、世界中で使われても、日本では認可されませんでした。仕方がないので、日本の女性は中用量ピルをドーンと日頃の4 倍も飲んで代用するしかありませんでした。ひどい副作用で嘔吐しながら耐えました。よーやっと認可されたのは、世界中のラスト六か国です。イラン、イラク、アフガン、ペルー、北朝鮮、そして日本、こうなってやっと認可されました。

そして、この子宮頸がん予防ワクチンです。これが日本で認可されたのは、世界の中でほぼ100か国めなのです。子宮頸がんはウィルスでなる、このウィルスを発見した人はノーベル賞をもらいました。ウィルスだから、ワクチンを、これが急いで開発され、実用化され、世界中で使われても、日本は本当になかなかで、やっと百番目に認可されたのでした。

これら、全て世界の中で圧倒的に遅れを取っているのは、お金と票などの力を持っている団体が政治を動かしているから。「ピルなんか認可すると、若い女がこれで妊娠しないからとセックスをしまくるようになる、社会が乱れる」「緊急避妊なんか認めると、あとで薬飲んだらいいいじゃないと若い女がセックスをしまくるようになる、社会が乱れる」「子宮頸がん予防ワクチンなんか認めると、これでがんにならなくなったのだから、セックスをしてもいいじゃないと若い女がセックスをしまくるようになる」

性教育に反対するのと同じ団体が、力をふるってきました。それらに対して、「科学」で明確に、正確に反論し、問題提起をしているのが、村中璃子さんです。彼女の業績を評価し、賞賛するのは外国の方々であり、こんなすごい賞を受賞しても、日本のマスコミはほとんど報道しません。

3

村中先生の受賞式での講演の続きを転載します。長いので、後半の半分のみにさせて頂きます。続きは明日に転載しますね。

『メディアを通じて、子宮頸がんワクチンの危険性を煽るミスリーディングな映像とストーリーが日本社会に広まっていったある日、厚労省が指定した子宮頸がんワクチン副反応研究班の主任研究者で信州大学の元教授だった神経内科学医、池田修一氏が、厚労省の成果発表会である衝撃的なマウス実験の結果を発表した。池田氏は当時、信州大学の副学長で医学部長を務めていた人物である。

池田氏は「子宮頸がんワクチン」と書かれたマウスの脳切片だけが緑に光る、白い円でその部分を強調した画像を見せながらこう言った。

「明らかに脳に障害が起きている。子宮頸がんワクチンを打った後、脳障害を訴えている少女たちに共通した客観的所見が提示されている」

池田氏によれば、インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン、子宮頸がんワクチンをそれぞれマウスに接種して10か月後に脳を観察したところ、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳だけに異常な自己抗体が「沈着」したという。池田氏のこの発表は、夜の人気ニュース番組でも放送された。

それから2週間後の3月末、子宮頸がんワクチンの被害を訴える人たちが、日本政府とワクチン製造企業を相手取った集団提訴を予告する記者会見を行った。日本政府は、積極的接種勧奨の「一時的」差し控えを継続。そして、「一時的」が3年にも及んだ昨年7月27日、日本政府は世界初の子宮頸がんワクチンによるものだという被害に対する国家賠償請求訴訟を起こされた。

数か月にわたる調査の末、私はマウス実験をデザインし、実施した研究者を探しだした。研究者は私に、池田氏が発表した脳切片は、実はワクチンを打っていないマウスの脳切片だと語った。ワクチンを打ったのは、数か月の加齢だけで自己抗体が自然にできる非常に特殊な遺伝子改変マウスだった。このマウスから、自己抗体たっぷりの血清を採り、別の正常マウスの脳切片にふりかけ、写真を撮ったという。

用いたマウスの数は、各ワクチンについて「マウス1匹」。投与したワクチンはヒトへの投与量の100倍だった。

私は池田氏が発表したこの実験を「捏造」と書いた。

池田氏は「他の研究者がつくったスライドセットから1枚のスライドを引用しただけなので、捏造とは名誉棄損である」といって私を訴えてきた。池田氏の弁護士は「争点は、子宮頸がんワクチンの科学の問題ではなく、捏造という表現の問題だ」と主張した。池田氏の弁護士は、日本における主要薬害訴訟で原告側に立ち、中心的な役割を果たしたことで有名な人物である。

被害者団体の行動は非常にプロフェッショナルだった。抗議の行き先はメディアの編集部ばかりではなかった。時には出版社の株主の社長室であり、時には株主の会社に影響力のある政治家のところだった。元東京都知事の娘で被害者団体と親しいNHKプロデューサーは、私の住所や職場や家族構成を知ろうと熱心だった。私と家族には山のような脅迫のメッセージが届いた。

メディアは、私を使うのを止めた。連載はすべて打ち切られた。刊行日が公表され、著者近影の撮影も終わり、表紙と帯までできていた書籍の刊行も中止となった。その後、日本を代表する8つの出版社に刊行を打診したが、すべての出版社が同じことを言った。

「非常によく書けた、読み応えのある作品です。でも、今はわが社からは刊行できません」

日本では毎年、3000の命と1万の子宮が失われている。

母校北海道大学で講演をした際、ひとりの若い産婦人科医が私にこう尋ねた。

――僕たちだけあとどのくらい子宮を掘り続ければいいんですか。
子宮を「掘る」、すなわち子宮を摘出するという意味だ。』

また、明日に続きますね。


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