産婦人科の現場から、年末年始を通して②
私が性教育というと、「家庭では難しい」とか、「いつからすればいいの?」とかいう質問が必ず出てきます。私は、性教育というのは、子育てそのものと思っています。もう何度もここに書いていますので、繰り返しになりますが、新しく読んでくださっている方もおありですので、再度書いておこうと思います。
というのも、先日、NHKの朝の番組で、子どもの性的問題行動についてという放送がされ、それが何とも頓珍漢で。まったく意味のない放送であったと思ったからです。いえ、むしろ害になるのでは?という放送だったからです。子どもが人の性器を触ることなどは、昔からよくありました。お医者さんごっことか。それを脳科学的にはまだ取り組みがなされ始めたばかりだとか。前頭葉が発達していない子どもは、まだ善悪の区別がつかない。児相の加害の子どもに対して「嘘をついたことを三つ書きなさい」で、悪いことがわかるようになるとか、全く、犯罪者としてとらえているかのような取り組みでした。
それに、ポルノ雑誌や映像を子どもの目に触れさせないのは、当然ではあります。それが、大人は裸で家の中を歩いていないかとか、子どもと一緒にお風呂に入ることもよくないような・・・。この記者は、きっと、性教育を学んでいないのでしょう。性教育の分野では、幼児からの性教育で、こんなことはさんざん取り組んできていることです。
子どもは、社会の様々なことに疑問を持ち、その答えを得ることで成長していきます。三歳にもなると、これなあに?どうして?うるさいほど質問攻めになります。子どもの質問にちゃんと答えてあげること、それは親の大切な仕事でもあります。
そして、子どもの疑問は体とか、性器、赤ちゃんなどにも必ず向かいます。「お兄ちゃんにはおちんちんがあって、どうして私にはないの?」「どうして男は立っておしっこして女は座っておしっこをするの?」「赤ちゃんはどこから生まれるの?」
そんな時にちゃんとお目目を見ながらしっかり本当にことを答えてあげましょう。
「赤ちゃんはね、女の人の性器から生まれるよ。あなたは、ママの性器から生まれてきたよ。おしっこが出る所とうんちが出る所の間に赤ちゃんが出てくるところがあるよ。」
「ああ、うんちと一緒でなくって良かった!」これは私の娘の反応でした。
「赤ちゃんが出てくる大切な所だから、大切にしておこうね。性器はね、いつもパンツをはいて守っとこうね。パンツはね、お風呂に入る時とトイレに行く時だけ脱いでいいけど、他は脱がないのよ。」
子どもたちの中には、性器を対象にした遊びがあります。
私の所でも、性器に石ころが入っていた子、金属性のおもちゃが入っていた子、おもちゃの指輪が入っていた子、いろいろありました。お兄ちゃんたちとの遊びの中で入ってしまったのですね。
小学校一年生にもなると、このプライベートゾーンを教えて下さる先生方もあります。水着で隠れる所、そこは、人には見せない、触らせない。人のプライベートゾーンは、見ようとしたり、さわったりもしてはいけないこと。これは、私の友人の小学校の先生が作った教材から頂きました。
私は、今日、別府から広島に帰ります。母がいない別府にいても、何もすることがありません。と言っても、広島でもすることがありませんが。雨ですので、ゆっくり帰ります。
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