生理は毎月ないといけない?
月経痛がとてもひどい人、鎮痛剤でもなかなか痛みが取れない人、そのような人の中には、筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることもあるのですが。そのような強い痛みの人には、低用量ピル(OC=Oral Contraceptive)と同じような成分のLEP(=Law dose Estrogen-Progestin)製剤がもう5種類保険採用されています。すなわち、健康保険で処方できます。
一番新しく保険採用されたのは、「ヤーズフレックス」です。これは、毎月出血を起こすのではなく、最小4か月に一回、年に三回の月経様出血を起こすだけですみます。生理があることがとても苦痛という人には大きな福音となります。出血はなくとも、ホルモンはちゃんと保たれますので、体への影響はほぼありません。
先日は、とてもとても強い生理痛で、何度も倒れて救急車で運ばれるという高校生にこのヤーズフレックスを処方しました。鎮痛剤の効き目も思わしくなく、ヤーズ+鎮痛剤、これでもまだ学校を休むほどの痛みがあります。いろいろと検査もしました。その挙句、生理(正確には消退性出血)の回数が少ない方がいいでしょうとなりました。
高校生で生理痛のひどい場合、特に受験生は大変です。もう10月ごろから沢山の生徒さんが来られています。OCやLEPで月経の時期を調整して、試験日にぶつからないようにしています。お一人ひとりのカレンダーで内服する日をデザインします。
試験とぶつかると、痛みは鎮痛剤で何とかなっても、問題はトイレなのですね。試験会場の女子トイレは長蛇の列になります。間にあうかしら、ナプキンを替えないと、かなりのストレスになることもあります。そのようなことのないように、あらかじめ試験日と生理がかさならないように、調整します。
さて、これまで何度も言ってきたのですが、このような時に、ネックになるのは、母親を中心とする周りの方たちの反応なのですね。いまだに生理痛は薬を飲まない方がいいとか、ピルなんて、不自然なものを使うべきではないとか。それなら、痛みを何とかしてあげてほしいのですが。毎月苦しんでいるお嬢さんをどうしてあげればいいのか、それがどうにもならなくて、受診されたのですから。
中には、痛みがすっかり楽になったから、もうピルはやめた方がいいのではないかと言われる方もあります。これは、ピルのおかげで楽なっているのだからねとお話するのですが、その上でやめたい人には、どうぞと言います。でも、やっぱりやめると痛いからと必ず戻ってこられますし、それからはお母様も納得して続けられます。
この日本の社会には、ずっと以前からふりまかれている「ピルは害」という意識がいまだに根付いているようです。中には、学校の養護教諭、保健室の先生が「いつまでこんなものを飲んでいるの」と強くやめるように言われたこともあります。
ヤーズフレックスで出血の回数が少なくなることをどうぞ喜んで上げて下さいますように。毎月あることが健康のバロメーターなどと言わないでください。つらいことは少ない方がいいと。もちろん、飲むのをやめれば、また排卵や月経は戻ってきますから。
35歳以上でたばこを一日15本以上吸う人とか、前兆のある片頭痛のある人とか、コントロールできない高血圧の人とか、飲んではいけない人がありますが、その人達を除けば、まず副作用は心配ありません。でも、血栓症についてのお話をしっかりし、何かあった時には必ずすぐに連絡をということをしっかり押さえておけば、怖いものではなく、受験をも応援する心強い味方になるでしょう。
昨夜は、ビル開業の産婦人科医の集まりでした。公的病院の産婦人科のドクターたちの数が足らなくなって、次々とお産の受け入れがなくなっている今、いったい産婦人科医療はどうなるのだろうという心配や、ヤーズやヤーズフレックスや緊急避妊薬などの話が沢山出ました。一人で開業しているものにとって、このような集まりは、楽しいし、勉強になります。
先日は、とてもとても強い生理痛で、何度も倒れて救急車で運ばれるという高校生にこのヤーズフレックスを処方しました。鎮痛剤の効き目も思わしくなく、ヤーズ+鎮痛剤、これでもまだ学校を休むほどの痛みがあります。いろいろと検査もしました。その挙句、生理(正確には消退性出血)の回数が少ない方がいいでしょうとなりました。
高校生で生理痛のひどい場合、特に受験生は大変です。もう10月ごろから沢山の生徒さんが来られています。OCやLEPで月経の時期を調整して、試験日にぶつからないようにしています。お一人ひとりのカレンダーで内服する日をデザインします。
試験とぶつかると、痛みは鎮痛剤で何とかなっても、問題はトイレなのですね。試験会場の女子トイレは長蛇の列になります。間にあうかしら、ナプキンを替えないと、かなりのストレスになることもあります。そのようなことのないように、あらかじめ試験日と生理がかさならないように、調整します。
さて、これまで何度も言ってきたのですが、このような時に、ネックになるのは、母親を中心とする周りの方たちの反応なのですね。いまだに生理痛は薬を飲まない方がいいとか、ピルなんて、不自然なものを使うべきではないとか。それなら、痛みを何とかしてあげてほしいのですが。毎月苦しんでいるお嬢さんをどうしてあげればいいのか、それがどうにもならなくて、受診されたのですから。
中には、痛みがすっかり楽になったから、もうピルはやめた方がいいのではないかと言われる方もあります。これは、ピルのおかげで楽なっているのだからねとお話するのですが、その上でやめたい人には、どうぞと言います。でも、やっぱりやめると痛いからと必ず戻ってこられますし、それからはお母様も納得して続けられます。
この日本の社会には、ずっと以前からふりまかれている「ピルは害」という意識がいまだに根付いているようです。中には、学校の養護教諭、保健室の先生が「いつまでこんなものを飲んでいるの」と強くやめるように言われたこともあります。
ヤーズフレックスで出血の回数が少なくなることをどうぞ喜んで上げて下さいますように。毎月あることが健康のバロメーターなどと言わないでください。つらいことは少ない方がいいと。もちろん、飲むのをやめれば、また排卵や月経は戻ってきますから。
35歳以上でたばこを一日15本以上吸う人とか、前兆のある片頭痛のある人とか、コントロールできない高血圧の人とか、飲んではいけない人がありますが、その人達を除けば、まず副作用は心配ありません。でも、血栓症についてのお話をしっかりし、何かあった時には必ずすぐに連絡をということをしっかり押さえておけば、怖いものではなく、受験をも応援する心強い味方になるでしょう。
昨夜は、ビル開業の産婦人科医の集まりでした。公的病院の産婦人科のドクターたちの数が足らなくなって、次々とお産の受け入れがなくなっている今、いったい産婦人科医療はどうなるのだろうという心配や、ヤーズやヤーズフレックスや緊急避妊薬などの話が沢山出ました。一人で開業しているものにとって、このような集まりは、楽しいし、勉強になります。
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