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性暴力の被害に遭うということ⑤抵抗すること、いやだと言うこと

オルガさんの本が届きました!!発行されてすぐです。もう、待ち遠しくって。まだざっとしか読んでいませんが、いろいろと分からないないことが分かりました。内容については、もっときちんと読み上げてからまたお話しますね。

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(また、写真が横向きになってしまいます。何をしても縦になりません。もう、どうして?)


昨日、家族からのひどい暴力、虐待に長年苦しむ患者さんにこの本を紹介することもできました。

日本では、性犯罪の犯人が有罪になるか否か、合意の上での性であったと判断されるのに、被害者が「抵抗したか否か」がしばしば問われます。

また、「なぜ抵抗しなかったの?」「なぜいやだと言わなかったの?」としばしば尋ねられたり、攻められたりもします。時には、「自ら楽しんでいる」ともとられる。

被害者にとってこれほど残酷な話はないのです。

4人の男に集団でレイプされ、(それも、飛び蹴りで倒され、のしかかられています)妊娠、中絶と本当にひどい被害に遭った高校生、この時には検事が「あまりつらそうな顔をしていませんね」と言い、その上で4人が逮捕されたのにも関わらず、「不起訴」だったのです。彼女が合意した性であったと。

オルガさんは講演で言われました。日常的にレイプされていると、抵抗することをやめていると。抵抗すれば、虐待の時間が延びるだけ。サバイバルの方法として、早く終わってしまうことを願うのです。

オルガさんは、虐待が行われる最中、自分自身が「解離」して、そうして生き延びることができたと言われました。すなわち、犯行が行われている時に、自分の心をどこかにやってしまうのです。外から、犯されている自分自身をぼんやりと見ている。でも、完全に忘れることができるわけではないと。

その解離した少女たちの特徴として、三つのことを上げられました。

1.眼がじっと遠くの一点を見つめている
2.感情がないフラットなしゃべり方
3.時系列でなく、記憶が混ざったり、内容なぐちゃぐちゃの話し方。
そのほか、練習した作られた笑い。

捜査をする方たちにこそ、この本を読んでほしいと思います。

オルガさんは、様々な人の助けがありました。家にいることから逃れるために、学校の図書館で勉強したり、友人とずっと共にいてもらったり、あざなどを見つけた先生から、配慮してもらったり。学業が優秀で奨学金をもらうことができて、大学にも進むことができました。

日本では。先ほどの4人の男にレイプされた少女は優秀で大学の法学部に合格したにも関わらず、入学金を用意することができなくて、進学することができませんでした。

性暴力の被害に遭った人達に遭っていると、本当に悔しいことが一杯です。日本は、まだまだ改善されなければなりません。被害者自身でなく、サポートする側が声を上げ続けなければなりません。今必要なのは、被害者でありながら、声を上げた詩織さんを孤立させてはいけないということだと、そう思います。
 

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コメント

誰か正義の見方はいないのでしょうか?上級公務員や権力者の見方ばかりする司法や地方自治体ばかりです。あほもいいとこです。

投稿: 愛ちゃん | 2017年10月 4日 (水) 15時58分

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