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「女性アスリート診療のための講習会」5.

女性アスリート診療のための講習会では、この後にも「アンチ・ドーピングの基礎知識」国立スポーツ科学センターメディカルセンター薬剤部の上東悦子さんのお話もありました。

これについては、ここではお話しませんが、私たち地方の医師で、気を付けること。スポーツ選手が来院された場合に「ドーピングがあるような大会にでますか?」という問いかけを必ずします。もし、国体などに出る可能性のある人だと、不用意にサプリメントや風邪薬を飲んだりしてはいけません。私たちも無月経の治療として軽い排卵誘発剤を処方することがありますが、これはドーピングに引っかかることがありますので、注意しなければなりません。

しっかり知った上で患者さんが不幸な事態にならないように気を付けて診療します。

なお、このような講習を受けた医師については、次のホームページにある「産婦人科医検索」のページに飛ぶと一覧表が出ますので、ご自分の近くの医師をさがされたらと思います。

http://f-athletes.jp/

その上で、もう少し私の感想、意見を。

今回の講習では、東京オリンピックを控えて、オリンピック選手などの対応をしていらっしゃる方々のお話でした。が、私たちは日ごろ、中学生、高校生などのいわゆる「部活」で無月経になってしまった少女を主に診ます。この時、部活の成績アップを目指している少女にそう簡単に体重アップを図るよう言えません。それがとても悩む所でもあります。

無月経の骨密度、疲労骨折の問題も大切なのですが、一生にわたる無排卵、無月経もとても深刻です。お話の中にもありましたが、いったん体重減少性の無月経となってしまうと、また排卵を取り戻すのに、とてもとても時間がかかります。

日本のマラソンのオリンピック選手だった人たちで、引退後母親になった人はとても少ないし。

例えば、バレリーナを目指している人は、それはそれで生き方の問題です。みんながみんな将来子どもを持たなければならないものでもありません。一生バレリーナとして生きる人はそれで立派な選択です。ただ、それを思春期のうちに決めさせるというのも、酷なこともあります。

私たちはもちろんですが、現場の先生、指導者の方々もそれらのことを考えたうえでの指導をして頂きたいと強く願います。

昨日の続きのスライドです。このシリーズもこれで終わります。読んで頂いてありがとうございました。

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