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「女性アスリート診療のための講習会」2.

 私のクリニックには、月経が長い間ないという思春期の女性がたくさん来ます。その時にいつからなくなったのかと同時に、必ず、月経がなくなったころ、体重が減ったかどうかを尋ねます。さらに、「スポーツは?」とも。部活などでの激しいスポーツをしているか否か。

やはり多いのは陸上の長距離選手ですね。まだこれから身長も伸び、体重も増え続けて、大人の体になるためにたくさんのエネルギーを必要とするときに、体重を減らすように指導される女性が多いことに、心痛めてきました。

私には、今もなおもっとも心痛んでいる少女がいました。中学生の長距離選手の女子生徒。厳しい体重制限で28キロになっても、まだなお体重を減らすようにとコーチに指導されていました。彼女は、表情が暗く、うつ傾向にありました。お母さんも心痛めて、校長室でコーチと対峙しましたが。それなら条件として、おやつを食べないように、それで手を打ちましょうと、そんなことになってしまいました。自殺したいと言っていた彼女がその後どうなったか、分かりません。

頂いたスライド原稿からです。

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ある駅伝が優れた大学の学生が何人も、無月経と共に、疲労骨折をしているのにも出会いました。

私は、その後の彼女たちの人生も引き続き診ています。その後結婚をして、妊娠を望んでも、なかなか排卵を起こすことができず、とても強い排卵誘発を長期使わなければならなかった人も少なからずいます。

では、治療はどうすればいいのでしょう。

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また、明日に続きますね。

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コメント

普通に人がこんな話を聞いても、
何でそこまでするの?やめればいいじゃん。って思うでしょうが、
アスリートの世界ではそれがなかなかできません。
行き過ぎた指導だと心の底では思っていても従わざるをえない。
特に女の子はリスクが高いですね。わたしも何人か知っています。
中学、高校では指導者の関わりはたかが3年。
大会で勝つことが目的なので、
選手のその後の人生を真剣に考えてくれる人は少ないと思います。

投稿: nancy | 2017年10月27日 (金) 11時38分

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