性的マイノリティに対する社会意識-河口先生のお話
25日、日曜日の午前中の性教協の例会の後すぐにエソールに移動しました。午後からはエソール広島主催の「LGBT等性的少数者の相談員養成研修」のシリーズ、第一回の研修を受けるためです。6回に渡って行われるこのシリーズ、5回目は私が受け持ちます。
第一回は修道大学の河口和也教授の講義「LGBT概論1~性的マイノリティーに対する社会意識~」でした。
河口先生のお話を聞くのは、ほぼ10年振りと思います。初めて聴いた時の「なんと素敵な先生か」と衝撃を受けて以来です。楽しみでいそいそと出かけました。
始まる前の教室です。この後も続々と来られて、席が足らなくなって、椅子を出して三人掛けになりました。
河口先生が中心となって「性的マイノリティについての意識―2015年全国調査」がなされました。
2015年3月全国130地点、20歳から79歳までの(戸籍上の)男女、住民基本台帳による層化二段無作為抽出法 補遺門留置訪問回収法、配布数2600票 回収数1259票(回収率48.4%)
そのデータを元にしてのお話でした。性的少数者については、まだまだ社会的には厳しい状況に置かれている事を実感するお話でした。
まず、同性愛者はどのくらいいるのか、大体人口の3~10%と言われていますが、これまでの様々な調査が示されました。
キンゼイレポート(1948、アメリカ12000人に面接調査)では10%
CNN:2004年大統領選挙の出口調査では約4%の人が自分は同性愛者と回答
日本では、1994年も藤沢・宗像・田島ら1968人に対するアンケート調査では「同性に対して性的に惹かれた経験がある」と回答した人は20.2%、「同性に性的興奮を感じ、身体を触れ合った」は10.1%など。
2016年 博報堂による調査→LGBTは5.9%(アセクシャル・性的指向を持たない人その他の性的マイノリティを含めると8.0%)
まだ沢山の調査の結果が示されましたが、
大事なのは、「いる」ということ。
・ 若い人にも、年配にも
・ 男性にも、女性も
・ 職業も多様
・ 都会にも、都会以外にも
と話されました。そう、だから、学校現場でも、クラスに一人か二人はいるということなのですね。
それでも、社会で持たれている同性愛者のイメージの、同性愛嫌悪・恐怖や異性愛主義について。家族、教育、メディア、制度等、社会のほぼすべての領域では異性愛が前提とされている→「強制異性愛社会」という状況にあります。
そのような中でなされた全国調査です。
もう少し、河口先生のお話を続けますね。
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コメント
小金井市議会に性的マイノリティを専門とする女性議員がいますが、河野先生みたいにしっかりした考え方ではないようなので悩んでいるので参考になりました。
投稿: 愛ちゃん | 2017年6月30日 (金) 12時51分