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気が重いこと③母子手帳の補助

今日は、5月14日のブログでお知らせしたように、性教協広島サークルの例会で私がお話します。「女性の健康向上を阻む社会的圧力~性教育バッシング・ジェンダーバッシング~」です。準備万端。仲間たちに久々に会えるのが楽しみです。

さて、気が重いことの続きです。

妊娠をして出産を望まれる場合、母子手帳を取ってきて頂きます。妊娠のうんと初期に来院された場合、妊娠した袋、胎嚢と言いますが、それだけしか見えないこともあります。それから少しすると、胎嚢の中に胎児と胎児の心拍が見えるようになります。そしたら、正確な妊娠の週数と出産の予定日を出します。それを書いて、母子手帳をもらってきて下さいと指示します。胎嚢が見えるだけだと、胎児が育たなくって、流産する場合もありますが、心拍まで見えるようになると、流産率はかなり少なくなりますので、そこまで待って、指示します。母子手帳をもらって、いろいろと書類やパンフレットももらって、それから流産というと、かなりつらい物があるからです。

母子手帳は、住民票がある地域の保健センターに行き、予定日を言うと発行されます。今は、それにマイナンバーの番号も必要になっています。

母子手帳を持ってきていただくと、それに補助、行政のサポートが14回分ついていますので、それを利用して、いろいろな検査を行います。超音波などで胎児を見るだけでなく、血液や尿での検査、血液型、貧血や白血球、血小板の数、HIV、梅毒、風疹の抗体、B型肝炎、C型肝炎、不規則抗体、そして子宮頸がんの細胞診等。一回目の補助は18050円と、がん検診の3400円です。

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ある妊婦さん、第二子の妊娠ですが、上の子が病気になって入院し、付き添いと看病で母子手帳を取に行けなかったと来院されました。それでは、早く取りに行って持ってきて下さいねと言って、健診をしました。その5日後に母子手帳をとりに行ったのでと持参されましたので、補助の健診票をを切りました。後ほど、その票は、市に提出しました。それが2月のことです。
これまでも時々あることで、別に気に留めなかったのですが。

ところが、二か月後の4月、市から電話がかかって来ました。健診は2月10日になっていますが、間違いはありませんかと。はい、とお答えすると、それは母子手帳の発行の前に行われていますので、補助はできません。健診票はお返しします。再請求もできませんと。私たちはボー然です。では、そのお金はどうなるの?補助金をもらえなくって、提出した検査代、お金は私たちが持たなければならないってこと?もちろん、いまさらご本人に出してもらうなんてことはできません。

どうしようもありませんでした。これまでは、それが通っていたことなのに、行政の担当が変わると、突然、おかしなことが起こる、これまでも経験があったことなのですが、小さなクリニックにとって、18000円は痛いです。杓子定規なお役人の対応です。

むしゃくしゃしながら、何とかならないかと思い続けていました。

何にもできないでいたところ、また同じ人から電話がかかって来ました。やはり2月につわりがきつくて寝た切りで、母子手帳を取に行けなかったと言う方に健診をし、大きな病院に紹介しました。後でお連れ合いが母子手帳を持ってこられ、補助のチケットを切りました。その方も、補助は出せませんのでお返ししますと。

二人も。それも二か月も経って。私は、怒りました。で、電話に出て、またですかと反論しました。お二人も続くと、もう黙ってはおれませんと。

この方は、つわりがきつくて、保健センターまで行けなかったと言われます。では、私たちはどうすればよかったのですか、母子手帳がないなら、健診はできませんと帰って戴けばよかったのですか。「私費で検査をして下さい」なんと、母子手帳がないなら、18000円頂きますと言うのですか。18000円ですよ。

この項、続きます。

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