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生殖補助医療(ART)の現状とその最新技術

昨日は、ハートクリニックの向田哲規先生の講演を聞きに行きました。これまでも不妊症の方の、ああ、この方は難しいなあという方については、ハートクリニックにお願いするようにしています。

その情熱が素晴らしくて。これまで、私が紹介した方たち、本当に沢山の方を妊娠させていただきました。無精子症の人も、養子を迎えたいと来られた海外の人も、若年だけれど、卵がもうできないという人も。

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今回お話を聞いて、その思いをさらに強くいたしました。何より、どんどんと前向きに進化させていらっしゃいます。

今、受精卵を培養していて、卵の分割の様子が一つ一つ、リアルタイムでカメラで見られるのだと。調子よく分割しているかが、モニターで自分の机で見ていると。そして、胚盤胞にまで行くと、凍結すると。できるだけ沢山凍結していて、患者さんの内膜をじっくり作って、一番いいタイミングでその受精卵を戻すのだと。今や、体外受精の77%は、凍結した受精卵で妊娠しているのだと。

向田先生は、その凍結の方法や顕微授精の方法を常に最前線で工夫をし、開拓してこられました。凍結については、農学部の牛の受精卵の凍結法を習って、人に応用して工夫したと。常に獣医界は人間の前を行っています。

全然レベルは違うのですが、人の精子を凍結するのに、昔、私は大学病院時代、牛の方法を習って、牛に使う凍結用のストローを買い求め、かつ混ぜる液をいろいろと工夫、開発して行ったものです。うまくいくようになって、凍結、融解、元気に泳ぐ精子を教授に見てもらって、うわー、元気に泳いでるではないかと、歓声を上げて下さった時、それはうれしかったものです。

いろいろと情熱を持って知識を得、考え、工夫し、前へ前へと進む先生を本当にすごい、素晴らしいと思いました。

私のできること、自分の所で、これは難しいと思った方は、できるだけ早く先生に繋ぐこと、それが一番いいと思いましたよ。

一つ、これは卵巣の余力を測るAMHの年齢による変化です。やはり年齢がかさむと、妊娠する能力は下がります。AMHが1を切ると、もう本当に難しいと。これは若い女性も知っておいた方がいいということですね。

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それから、受精卵の凍結だけでなく、卵そのものの凍結、これはなかなか難しかったのですが、先生の所ではもうクリアされていて、卵の凍結もしているそうです。これから、乳がんの治療をしなければならくなったとか、それから白血病で放射線療法や抗がん剤の治療をしなければならなくなったひとの精子の凍結も。

赤ちゃんを作ることに情熱を燃やし続けている先生を心から尊敬し、心良い感動に満たされました。ありがとうございました。

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コメント

生殖補助医療については賛否両論あると思いますが、不妊治療をしている立場から言わせていただければ、早く治療をという河野先生のお考えに大賛成です。

私は40歳の時にこの先生に相談に行きました。
40代の妊娠は難しいということは重々わかっておりましたが「これから妊娠出産しても、生まれた子供が小学校入学の時は40代後半だよ。可哀そうじゃない?」と馬鹿にしたように言われました。
一般的には若いお母さんが良いのは分かりますが、不妊治療をしている先生が…とショックを受けました。

愚痴になりましたが…研究も大切ですが患者の心に寄り添うお医者様が増えて欲しいと切に思います。

投稿: えり | 2017年3月10日 (金) 12時45分

今自分は、胚培養士さんに迷惑かけてる一人ですが、以前歳の離れた友達の高校生のお子さんは農業科に通って胚培養士の資格をとったそうです、農業科や大学農学部では牛の人工受精が必修で牛の交配資格だけでなく胚培養士もとれて全国の産婦人科に人材を送ってると話を聞きました。農学部や高校の農業科って不思議だとおもいます。絶対に農学部や高校農業科や獣医学部は絶対にこれから必要ですね。本当に農業科や農学部や獣医学部の噂は本当だとしったのは河野ブログだなんて驚きです。

投稿: 愛ちゃん | 2017年3月10日 (金) 13時30分

無精子症やもう養子を考えている人も救った先生にアシストした河野先生の先見性が素晴らしい。個人病院でよいところに紹介してくださる先生はあまりいなく、先生の自分だけの力に頼らない姿勢が素晴らしい。自分がなんでもしますというよりも希望をきちんと伝えて繋げてくれる姿勢がほしい。相談しにくい、意見を言いにくい環境に大学病院や地域の大病院の外来は陥ってます。夜間はとりだし、つまりお誕生に追われかねない先生達がお忙しいのはわかってますが。もう少し意見を聞いてほしい。

投稿: 愛ちゃん | 2017年3月11日 (土) 08時32分

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