昨日の続きです。医局でのこと。
ちょっと外れるかもしれないけれど、昨日の続きです。
スポーツ界ではなく、私の若い頃の思い出です。
大学の産科婦人科学教室に入局して。医局では、週一回の医局会議の後、時々食事会(飲み会?)が催されていました。医局員の送別会だとか、お祝いだとか。外の料理屋さんに出かけるのは、忘年会などの特別な時です。ほとんどが医局の中でありました。鍋のこともありましたが、多くはすき焼きでした。
準備は、医局の事務のために雇用している女性がして下さっていました。問題は、終わった後の片づけでした。多くのお茶碗、お皿、鍋などの洗い物。医局会議の後からの食事ですから、終わるのは遅くなります。それからの片づけです。
入局してすぐ、初めての時、まだよく事態が分からない頃。そのままで帰りました。そしたら、雇用している女性に怒られました。「医局には、女はいないんか」と。以来、私は、必ず洗い物、片づけをして帰るようになりました。何十人分という大量です。当時は使い捨ての紙皿やコップなどありませんでした。遅くまでかかって、すべて片づけて帰ります。時には、食事会が憂鬱になることもありました。
そうして何年も経って。あるとき、当直の泊まりの時、後輩の新人のドクターも一緒に泊まります。その後輩には、先輩が食事をおごるのが慣例となっていました。で、後輩の男性のドクターと一緒にごはんを食べました。そしたら、彼は、食べた後をそのままにして部屋を出て行きました。私が後輩の跡も片づけです。
その時、やっぱりこれではいけないと思いました。
その後の医局の食事会の後、私は、「一年生、集まれ~」と言いました。そして「はい、みんなで片づけです。洗い物をします」と。一年生の男性が言いました。「どうして一年生なんですか。差別じゃないですか」と。
「じゃ、誰がすればいいの?女の医者に片づけろと?それは、女性の差別でしょうよ」と。
本来なら、それらをシステムとして医局長が指示すべきことなのでしょうが。当時は、そんなこと、考えられもしないことだったのでしょう。
もう、ずっと前の話です。今の医局ではどうなっているのか知りません。でも、男女の平等の意識は、スポーツ界に次いで分かっていないのが医者の世界だと私は思います。
千葉大学の医学部の学生たちによる集団レイプ事件、これは学生ですけれども、その場に彼らの指導役のドクターがいたと。集団のレイプは犯罪であると、こんなことも分からない医師や医学生がいるということが、本当に情けないことです。
男女が共に生きることの基本、これを学ぶのも大切な性教育なのです。
今、多くの進学校で全く性教育がなされないような状況で、千葉大医学部だけでなく、東大や慶応などのエリート校でも集団レイプの事件が起こっていることと、医者が平気で同僚の女性に跡片付をさせて来たこと、それらがすべて繋がっていると思えるのです。 私は、今日、これに行きます。患者さんからのお誘いです。
以前は熱心にお寺に行っていたのですが、もう長い間行っていません。いろいろと思うこともあって、久しぶりのお寺です。宗派は異なりますし、この宗派のことは全然知らないのですが。
朝早く駅に集合して、バスで行きます。ちゃんと起きられるか緊張していたら、なんと三時半に目覚めてしまいました。それっきり寝られません。バスの中で寝られたらいいのですが。
『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。
| 固定リンク
コメント
医局の中は変だとおもったこと私も患者として感じます。医学部の特殊性がレイプ事件を産んだとは素晴らしい指摘です。医局では医学部一年生が奴隷でしかも、女性の指導医はそれ以上に奴隷なんだとは知りませんでした。おもしろいのは、内科の教授のそばに確かに内科の若い女医さんが地下の食堂のせきでべったりしていて気分がわるかったです。
投稿: 愛ちゃん | 2017年2月 5日 (日) 09時39分
一番セクハラやパワハラをしてはいけない診療科の医局ってやっぱりセクハラやパワハラが同僚や上司等からあるのは異常だとおもう。セクハラやパワハラを産婦人科から根絶したいとおもってるっていう意思がドクターから聞けて良かった。お世話になってるとこはかわってると思う部分があるのは少し感じます。今月もだめなお知らせが通院前にきましたが、セクハラやパワハラを産婦人科をなくして行きたいですね。
投稿: 愛ちゃん | 2017年2月 5日 (日) 20時57分