中村周六さん
昨日中川健作さんのことを書きました。今日は、もうお一人私たちの仲間が亡くなったことをお知らせせねばなりません。昨年の「8.6ヒロシマ平和の夕べ」で登壇した中村周六さんです。
この時、すでに大腸がんに全身が侵されていました。中村さんは、プログラムでは、その年の3月に行った福島のことを報告する予定でした。しかし、いきなり参加者に向けて合掌し、「なまんだぶなまんだぶ」から始まり、親鸞の話、仏教のお説教を話出したのです。いつ、福島の話になるのかと思っていたら、結局最後までお説法で終わったのです。司会の私は、どういったらいいのか、ほんとうに戸惑いました。
中村さんは、浄土真宗のお坊様です。御坊様が仏教の話をする、それはまったく違和感のないことかもしれません。しかし、本当にびっくりして。
昔、中村さんは広島大学の学生でした。それから私たちは長い間どこにいらっしゃるのかも分からなかったのですが、滋賀県で生活されていました。その内、高齢のお母様と同居するためにお一人で作木に帰って来られました。作木では、農業と牛飼いをしながら、仏教の勉強をし、お坊様になられました。「牛が可愛うて、可愛うて」と何度も聞きました。
8.6平和の夕べには初めから参加しておられます。何十年振りでお会いした時、くしゃくしゃの笑顔で握手しました。
私たちの大切な仲間、原伸幸さんが大腸がんに倒れ、亡くなった時にも、その前に病床に行き、しっかり時間をかけて話をし、最後に握手をして別れたと。全く悔いはないと言われました。後で考えると、その時には、すでにご自分も大腸がんに罹っておられたのですね。
そして。昨年三月に福島にフィールドワークに行った時、私は別行動で「聞かせて福島のこと」を開催し、お話を聞いていたのですが、夜福島での懇親会に合流しました。そして、中村さんの隣に座ってお話をしました。一番手前が中村さんです。中村さんは、がんの体を押して、福島に行かれたのです。
その時、中村さんは話して下さいました。医者に写真を見せられた時、がんが腸や腹にいっぱいだったと。その一つ一つのがんがすべて仏に見えたのだと。仏がいっぱいでこちらを見ていて、感動したのだと。
私は、「六さん、死ぬのが怖くないですか?」と尋ねました。
この話、明日に続きますね。
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