性教協中国ブロックセミナー①
昨日は、一日中岡山と福山で過ごしました。性教協中国ブロックセミナーは、岡山大学の静かな環境の中で行われました。130人を超える会場一杯の参加者でした。
村瀬先生の講演も、上村先生の講演もどちらも素晴らしくて、本当に勉強になりました。ここで学んだことのすべてを皆さんにお話したい所ですが。ほんの一部ですが。
村瀬先生の講演は、「進化する性教育の行方~旺盛な性の学び、いまこそ~」のタイトルでした。
今、偏差値の高いと言われる大学生の悲惨な事件が頻発しています。慶応大学、東京大学、そして千葉大学医学部。集団レイプ・強制わいせつという、もっともあってはならない事件です。村瀬先生は、学ばないで育った悲劇である、加害者だって、もっと学んでいれば、事件は起こさなかったであろうと。
男子は被害を受けないから性について教えたり学ばせたりする必要はない。かえって好奇心をつのらせる。→加害の可能性の高い男子にこそ学習の必要がある。自らの性への正しい理解(自己管理できる)、関係性の認識(相手に対する想像力)など。
それら、13項目について、性教育のパラダイム(paradigm)転換の必要性と可能性(*パラダイムとは、ある時代・文やにおける支配的な規範となるものの見方、認識の枠組みのこと)を話されました。
「ユネスコ、ユニセフ、国連人工基金、WHOによる共同文書「国際性教育実践ガイダンス(指針)〔2009年〕の骨格を示した文書、これと前後して発表された「包括的性教育のためのガイドライン」〔アメリカ〕、「ヨーロッパにおけるセクシュアリティ教育スタンダード」〔2010年〕、台湾における「学校性教育(工作指引)」〔2010年〕など、ここ数年来、世界的な規模で性教育の新しい展望を指し示す取り組みが進められている。
これに対し、わが国では1999年に出された「学校における性教育の考え方進め方」〔文部省〕以来、新たな見解、展望を示す文書は出されていない」(村瀬先生のレジュメから)
以後、指導要領の改訂ばかりで対応され、そして、2002年から2010年に渡る大バッシングの嵐。
これらを潜り抜けて来られた先生の話には、多いに説得力がありました。もう少し続きます。
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コメント
すごく女性の活躍といいながらも制度が整備されておらず、性教育もきちんとおこなわない風潮だからさまざまな事件があると感じます。先々週も某有名大学にお邪魔してますが、相手の女性に対する謝罪の針が見なし。最悪にもレイプ事件は、医学部の男子学生がおこしてるから最悪だと考えてます。男子にこそ性教育だ。
投稿: 愛ちゃん | 2016年12月19日 (月) 09時38分
関係性の認識力や相手への想像力などは職場のセクハラにも通用してます。とかく性教育は貧困層の年配の女性ややたら高学歴の男子には必要があります。保育や介護の現場で働く年配の女性は実は貧困層できちんと性教育をうけずにきたのでは。すごくそんなことを考えています。極端です。
投稿: 愛ちゃん | 2016年12月20日 (火) 00時05分