性同一性障がいの方の手術について。
性同一性障がいの彼が初めて来院したのは、まだ高校生でした。
ガイドラインに沿って、今は二週に一回男性ホルモンの注射をうちに来ています。そして、この度、手術を受けました。その医療機関から来たお手紙です。
「
この度は、ご紹介・手術前検査を実施していただき誠にありがとうございます。
その後について、下記のように報告致します。
平成28年11月○日
膣式 子宮全摘術+両側 卵巣・卵管摘出術 を行いました。
術後 経過順調にて、12月○日に退院されました。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
平成28年12月○日 」
無事済んで良かったね、と彼に言いました。お腹を切らないで手術してもらって、最低限の体の負担だけで済んで。ここまで来れば、もう、性を変えることが出来るよ、と。
女性から男性へは、性腺、すなわち卵巣を取るだけで性別変更が可能です。手術で性器の形を作らなくっても大丈夫。ホルモン注射で男性器のようになりますので。
でも、私はすっきりしません。痛々しいのです。体にメスを入れなければ、性別変更ができないということが。世界では、そのままの体でも性別を変更できるのが主流となっています。手術をしなければ、というのは、人権侵害ではないかと思うのです。もちろん、手術をしたい人は、すればいい。それは個人の希望で個人が決めればいい事なのですね。
もしも、体がそのままで性が変われば、国として、何か困ったことがあるのかと考えました。手術をしようがしまいが、何も困ったことは起こりません。変わってみて、もし困ったなら、また戻せばよろしい。それくらい柔軟に考えてもいいはず。でも、性腺を取ってしまうと、それは不可能です。
これまで学習してきたように、性別は、グラデーション。男か女か、二つだけに決められる物ではないし。個人によっていろいろなのですね。
男性から女性への手術はもっと大変。本当に大変で、お金も沢山かかります。今、術後がよくなくって、せっかく女性器を作ったのに、ふさがりかけている人もいます。当方に通ってきて、広げる処置をしています。それは苦痛を伴います。せっかく、大金と時間と労力をかけたのに、気の毒なことです。やはり人権侵害だと思ってしまいます。
お歳暮を頂きました。私のブログを読んで下さっている方からです。もう、びっくり、うれしくて。練乳のように見えるのは、髪のトリートメント兼日焼け止めのクリームです。カップは焼酎カップと書いてありました。さっそく梅酒にソーダを入れて飲みました。作るだけ作って、まったく飲まないままの梅酒が沢山あります。これから毎晩晩酌です。憂鬱な気持ちが少し明るくなりました。
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コメント
私も体にメスをいれるのは大嫌いです。本当にホルモン注射だけでいいならそっちがよいとかんじてました。日本政府は、なぜメスをいれなければならないかを根拠をしめしてませんね。私もお歳暮をおくりたかったです、おくってよかったんですね。性についての日本の考え方は遅れてるとかんじてます!
投稿: 愛ちゃん | 2016年12月 9日 (金) 09時36分