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性教協中国ブロックセミナー④

性教協中国ブロックセミナーの最後は、上村茂仁先生の講演「性の『困った』から学ぼう~今から、これから私たちにできること~」でした。ウィメンズクリニックを開業しながら、莫大な数の若者たちからのメール相談に乗り、沢山の性教育の講演をこなし、精力的に活動している先生です。その実践に基づいたお話は説得力がありました。

聞きほれて、メモをほとんど取らないままで失敗しました。で、頭に残っているデータから。性交が妊娠の可能性があることから、中学生にはオーラルセックスが多いということ。そして、オーラルセックスでは淋病やクラミジアの感染が起こりうること。

私も、ひどい性器ヘルペスにかかってきた女性に、性交はいつあったかと聞くと、していないということがあるのです。で、それだけではダメで、「性交はなくとも、似た行為がありませんでしたか?」と必ず尋ねます。」「唾液がつきませんでしたか?」とも。

今や、若者の性は、私たちのような大人が考えている状況とは、ひどく異なっていると認識しなければね。

その上で。まだまだ望まない妊娠、そして私のような現場では、一人で抱え込んでいる内に、中絶できる時期を過ぎてしまって出産しなければならなくなった、でも育てることもできない女性の来院が後を絶ちません。

上村先生が配られたレジュメから、はいじめの部分の一部を転載させて頂きます。

「いきなりですが、精通があった男性と月経が始まった女性であれば、たとえ小学生であっても子どもをつくることも、産むことも可能です。若者が性行為を行っていいかどうかは別として、親はそのことをしっかり意識しないといけません。ところで、文部科学省の学習指導要領によれば、中学生に対しては避妊について教えてはいけないことになっています。義務教育で教えなければどうするのだ、と言う疑問は残りますが、そうなると家庭での教育しかありません。避妊法に関して言えば、コンドーム、ピル、女性手術(卵管結紮術)、男性手術(精管結紮)、子宮内避妊装具(IUD、IUS)などがあります。膣外射精やオギノ式などを一般に避妊法と考えている人もいますが、避妊率はとても低く、実際に使えるレベルではありません。

確実に使用したとして避妊率が1%以下なのは、手術による方法とピル(OC)だけです。ただし未婚または子どもを産んでいない女性や男性が手術を受けるはずもなく、一般に高い確率で避妊できる方法はOCだけということになります。日本での治療研究では、OCの避妊率は99%以上となっています。OCですが日本の普及率はというと4~5%位で、とても先進国の仲間入りとはいえません。

ところで、コンドームの方は当然STI(sexually transmitted infection)性感染症予防に重要です。STIとはセックスおよびそれに準ずる行為(キス、オーラルセックスなど)によって感染する病気のことを言います。・・・」

まだまだお伝えしたいことは沢山ありますが。

今回のセミナーをはじめから終わりまで聞いて、私もまだまだ勉強しなければ、と改めて引締められる思いになりました。さあ、これからも頑張りますよ。

それにしても、文科省、本当に何とかならないものでしょうか。

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セミナーでのお昼ご飯は、岡山大学の学生食堂で。学食、久々です。私は、札幌カレーラーメン、そしてせっかく岡山なのだから、「白桃タルト」を頂きました。カレーうどんはよく食べますが、カレーラーメン、初めてです。おいしかったですよ。でも、多いので少し残して、そしてタルトです。はい、満足でした。

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