17歳
ある日。
「ねえ、今相手はいろいろ?決まった一人ではないよね。」
「うん、前は愛人契約しとったけど、今はそれ辞めていろいろ。」
「風俗?」
「違うよ。キャバクラ。」
「セクキャバ?」
「ううん、普通のキャバクラ。」
「今ねえ、二つも病気になってるんだから、セックスはダメだよ。移すからね。」
「え?でも、しない訳にはいかんのよ。」
「でもさあ、貴方としたら病気になったって言われたら貴方だけじゃなくて、店にも迷惑がかかるんじゃない?」
「そうかあ。でもねえ、使わん訳に行かんのよ。番を張ったらねえ。」
「そっか。一番、二番を競いよるん?」
「うん、60、70稼ごうと思ったらねえ、使わんとね。」
ある日
「先生、お酒で気持ち悪くなるんよ。何か二日酔いの薬が欲しい。」
「あなた、まだ17歳でしょう。17歳の子に二日酔いの薬ですって出すわけにはいかんでしょ。今、病気の薬を飲んでるから、よけい胃にこたえるんじゃろうね。私は未成年じゃけん、お酒はダメなんよ。ノンアルコールもらうね、とでも言いんさいよ。今日は、普通の胃薬を出しとくからね。」
ある日
「先生、やっぱりビル飲まんといけんかねえ。」
「だってあなた、もう一回中絶してるから、分かるでしょう。また妊娠したらいやでしょうが。こんなに病気をもらってくるということは、妊娠もする可能性があるということよ。ちゃんとピルを飲みなさい。手術の後飲んでたのに、どしてやめたんね。怖いでしょうが。」
「でも、ピルって、たばこいけんのでしょ?」
「そう、たばことピルは相性悪いからね。今、どれくらい吸ってるの?」
「ふつう、ひと箱半。」
「わあ、それはいけん。ピルにもじやし、美容にも健康にいけんがね。17歳で、たばこを30本も吸うかね。でも、ピルは飲まんといけんから。とりあえず、たばこを減らすこと。一日15本までに出来んかねえ。最終的にはやめるべきだけど。」
ある日
「ハイ、これで全部の病気は治ったからね。もう、かからんようにせんとね。」
「先生、これから毎月来るからね、病気の検査してね。」
「うん、検査はするから来んさいよ。でも、かからんようにせんとねえ。ピルもちゃんと出すし、たばこのことも聞くよ。タバコをやめる方法はいろいろとあるけど、なにより自分がやめようという気にならんとね。」
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コメント
今の17歳は自由ですね。貧困状態におかれてるお嬢様でしょうか?それとも家は裕福だけど勉強きらいだから高校中退したからキャバクラしか職場がない。高校中退したものはどこも正直にいって職場がない。からキャバクラや風俗勤めですね。酒やタバコを飲まなければ仕事にならないのは正直わかります。高校中退したものは雇わない制度は是正すべきですが、現実はつかいずらいのだと思います。病気で中学しかでてない女性の先輩がいますがやる気しだいで大検とって介護福祉士とったようですが、そんな気持ちはないのでしょうか?せめてタバコは控えるべきだと感じます。
投稿: 愛ちゃん | 2016年12月26日 (月) 14時37分
格差社会もろだしの話だと感じます。勉強きらいだからもらえるお金が低い介護の世界にはむかない。叩き上げで介護の現場にはいれた時代には17歳はいたかもしれませんが、今はいない。お金がほしいならキャバクラや風俗か。資格が一番ですが。高校中退したものはきらわれますから嫌わない社会にすべきだとおもいますが、社会的に無理だ。でもタバコはやめたほうがましですが、無理だと考えると寂しくなりますね。女性の雇用に凄い疑問点が今は感じます。凄い格差を生むと同時に女性労働者同士の殺しあいになります。変だとおもいながらも現在の雇用に安寧しなくてはいけないのはとても残念です。
投稿: 愛ちゃん | 2016年12月26日 (月) 15時05分
愛人契約ってなんですか?そんなに生活が苦しいのかな。17歳の少女に二日酔いの薬を産婦人科でだしてよいのか疑問点があります。事情によりけりなのでしょうがよろず屋じゃないんだし。内科でどうぞと言いたいお気持ちわかります。思春期外来で仕方なくってわかりますが。私も薬やの注射のことで自由に先生で思うようにだしてもらえずさみしいけど、自由にだざる得ない先生の悲しみが聞こえてきます。
投稿: 愛ちゃん | 2016年12月26日 (月) 23時29分