変わるべきは司法だ。
必要に迫られて読んでいます。分厚い本です。
世の中には、信じられないことをする人がいるものです。それも少ない数ではありません。特に子どもに対する性犯罪は許せません。
それでも、その犯罪者を裁くためには、感情的な憤りだけはダメだと。学問的根拠で証明しなければなりません。処女膜がどんな状態になっているのか、その記述が要求されるのです。それも医学用語で。その根拠の論文が要求されるのです。見た通りのことを自分の言葉でしゃべるだけではダメだというのです。医学的根拠を論文で要求されるのです。
そして、被害者である少女、子どもにたいしても、さまざまなことが問いただされます。
私は今、性犯罪に対して、もっとも遅れていて、もっとも改善されなければならないのが、司法の世界であると思っています。
人を裁くためには慎重でなければならないことはわかっています。それでも、性犯罪者を罰するために、その被害者を貶める形での証明が要求されています。
先日の、俳優によるホテルの従業員に対してのレイプ事件。あれだって、加害者についた弁護士さんのあの声明文、それはあくまでも加害者を弁護する立場で出されたものです。それがあたかも、真実であるかのような印象を社会に与えました。それがどれだけ被害者を傷つけたか、被害者が検察官にどれだけ厳しく問いただされ、それに耐えられなくなってしまったか、そのインタビューを読んで、ますます司法の世界に憤りを覚えています。
司法が変わらなければ。弁護士、検察官、裁判官。自分の妻が、恋人が、娘が被害に遭ったと想像するだけでも、その心情は変わりうるのだと思うのです。今、要求されるのは、被害者の心の痛みにどれだけ想像力を働かせることが出来るか、それだと思います。その上での、性犯罪についての法律やシステムを変えなければ。もう、いい加減にしてほしいと思います。
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コメント
私も変わるべきは司法だとおもう。実はセクハラの件ですが、女性の先輩が妊娠は腰をふるだけだと男性に言わせてるのが判明し、その女性に対して、妊娠出産を理由にした解雇ができないことが法律や女子差別撤廃条約で日本は批准し締結しなければならない。それを国民全員守らないといけない、経産婦がそれを知らないわけないじゃないか、私の時代は妊活もなかったし、予定日ギリギリの労働もなかったなんて私は理由になりません、だからこそ、法律の本のコピーを同封して渡す事にしました。女が女を殺すのは馬鹿げてる、女が女の貧困を作ってることを抗議する手紙をかきました。今日のブログで勇気がでました。
投稿: 愛ちゃん | 2016年11月 9日 (水) 10時59分