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漢方一貫堂医学②

大正時代に森道伯先生によって確立された漢方一貫堂医学は、様々な弟子に継承され、第二次世界大戦によって使えない薬も出てきたりしましたが、昭和40年ごろからまた昔のように薬を使えるようになってきたと。戦争の影響は、ここにもありました。

今回は、森先生と中島随象先生と山本巌先生の流れでのお話でした。それぞれの先生がどんな診察方法、薬の処方の仕方をされたか、そして今回の講師の木村先生が、どんな病気にどんなお薬を処方されているのか。その見事な医療の力を見せて頂きました。

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 全部を話すのはとても難しいのですが。何よりびっりしたのが、「防風通聖散」です。保険の適用は肥満や便秘。私もこれらの方たちによく使っているのですが。カッセキ、オウゴン、カンゾウ、キキョウ、セッコウ、ビャクジュツ、ダイオウ、ケイガイ、サンシシ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、ハッカ、ボウフウ、マオウ、レンギョウ、ショウキョウ、無水ボウショウと12種類の漢方で作られています。

山本先生の防風通聖散は、

1.生活習慣病に応用する(肥満症、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症)
2.メニエール病に用いる
3.病邪を瀉すためにもちいる(脳卒中、気管支ぜんそく、慢性腎不全、関節リュウマチな゛と、それぞれ通道散などの他の漢方と併用して)
4.補中益気湯の代用として(たとえば風邪をこじらせて補中益気湯などを与えても改善せず、食欲もないのに無理に食べて苦しいという者に少量の防風通聖散を与えて少し下すと良い)
5.麻疹の最盛期に用いる(熱病に対する適応症に)

等の使い方があると。あらゆる病気に効果的な使い方があるのですね。

木村先生は、様々な患者さんの漢方治療をなさっていますが。

からだ中に頑固な湿疹がある方にいろいろな薬を併用して使われて、ほんとうにきれいになった姿を見せて頂きました。

肺炎の方の肺のレントゲン写真も。誤嚥性肺炎で苦しくて食事もできず、鼻から栄養チューブで栄養を補っている方が、漢方の治療でだんだんと食べられるようになって、座って新聞を読んでいる姿も見せて頂きました。

そして、昨日少しだけ書きましたが、首から胸にかけて浸出液でベトベトの、分厚いアトピーの方をいろいろと薬を変えながら治療をなさって、まず浸出液が出なくなって、乾性の分厚いアトピーとなって、それからまったく普通のきれいな皮膚を取り戻される、その過程を見せて頂きました。まるで手品の様でした。

先生は、漢方を知り尽くして、そして、大胆にお使いです。私などは婦人科領域や妊婦さん、不妊の方、更年期の方等に一種類ずつ使うのがせいぜいです。またそんなに大量に使うこともできません。でも、この人はと思う方がいらっしたら、漢方の専門医に繋ぐこと。それは心しようと思いました。

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コメント

なぜ漢方なのかを、数年前に赤ちゃんがほしいに特集としてでてましたが、河野先生みたいに積極的に漢方医に繋げる努力をされてるなら未来は明るいとかんじます。日本は担任が全部抱えてるから失敗したら気まずくなりますね。日本の産婦人科医は漢方をばかにしてる方々が多いかも。漢方にしてみてはと脅迫はしませんが、漢方は良いと感じます。

投稿: 愛ちゃん | 2016年11月 2日 (水) 10時23分

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