長谷川豊氏の降板に思うこと②
長谷川氏のブログを読んで感じたのは、とんでもない思い上がりの人であるということです。
自分はとってもえらい、自分の言うことは正しい、みんな私の言うことをちゃんと聞け、自分を批判する連中は、ちゃんとブログを読まないやつ、読めばだれもが分かるはずという、何とも高慢な人であるということ。
社会の弱い立場にある人への思いやりが持てない人であるということ。
今回のことを書くのであれば、自分が接したドクターたちの(それも医師の立場から見れば、とってもたちの悪い、金儲けにせっせと励んでいるようなドクターたち、私が知っている透析のドクターたちは、もっと謙虚です)言葉だけが根拠でこんな大変なことを書いてしまっています。
私が昨日出したグラフを見ただけでも、糖尿病が原疾患である人の割合は40%以下であることが分かるでしょうに。それがなぜ「透析患者の大多数の流れ」になるのでしょうか。
それに、彼はまだ書いています。これだけ問題になっても分かっていない。自分が大切にしていたテレビを降板させられたことの本質が分からない人のようです。引用します。これは、降板が決まった後の9月29日のブログです。
『私は日本の最大の闇は「社会保障給付費」だと思っています。無駄は山ほどあるけれど、これほどの無駄だらけの世界はないと。ここにメスをいれなければ、日本は早晩厳しい展開になると信じています。
が、そこにメスを入れるということは、一見すると「弱者切り捨て」と言われかねない状況になります。
でも、そこに「本当に弱者なのか?」「本当は弱者のふりをした卑怯者は混じっていないのか?」と訴えたかった。人様から預かっている税金。もっともっとしっかりしなければ、私はおかしいと信じています。』
その卑怯者の代表として、今回彼は「透析患者さん」を血祭りにあげました。
透析患者さんを「本当の弱者」と「卑怯者」に分けることは、一体誰がするのでしょうか。何度も言いますが、病気になりたくてなる人はいません。どうがんばっても病気になる人はなる、それをはたの人間が、お前は本当、お前は自業自得だという権利がどこにあるのでしょうか。
これは、HIV、エイズの患者さんが現れ始め時と、同じような考え方なのですね。「血液製剤で感染した人はお気の毒」「でも、セックスで感染した人は自業自得」。
私も含めて、一度は陥りやすい考え方でした。女性の感染した人を「イエローキャブ」とまで名づけて、偏見を振りまいた人もいました。そして、そんな人にまで医療費を使うなと。
でも、それは間違っているとすぐに理解されました。どんな理由であろうと、今、現実に病んでいる人に医療はあるのだと。
こんなブログを書いた長谷川氏だって、いつ病気になるかわからないのですよ。暴飲暴食だけが糖尿病の原因ではないのです。彼だって、いつ膵臓の病気になって、糖尿病になり、透析患者になるかもしれません。若い彼は、自分が病気になるなんて、思いもよらないでしょうが。
そして、私がとっても気になるのは、こんな彼に対して、「あなたが言ったことは正しい、頑張れ」とコメントを送っている人が少なくはないと言うこと。その論調が、障がい者差別や、ヘイトをしている人たちとまったく同じなのがとても心配なのです。
今、彼に必要なのは、現実に透析を受けている人たちに、謙虚にお話を聴くこと。そして、たちが悪い医師でなく、真摯に透析医療に取り組んでいるドクターたちの話を聴くことだと思います。
彼は、書いています。以下、また引用です。
『それでも「現場をもっと取材してから書かれたらどうですか?」とか、14年間ニュースを伝え続けてきた私にのたまう大変頭のいい方がいらっしゃるのであれば、私は逃げも隠れもしないので、私の「公式チャンネル」にでも遊びに来てください。なんなら、私を応援する現場の医師たち、15人くらい、呼んできてやろうか?参考になる話、たくさん聞けるぜ?』
彼を応援する医師ではダメですね。同じ穴のムジナでしょうから。
その上で、抗議文を送った全腎協のみなさんを含めて、透析患者さんすべてに謝罪をすることだと思います。抗議文に対する彼の論調も、まったくひどい、これこそ揚げ足取りであるとしか言えません。命がけで生きている人たちに『「おマヌケ」にしか見えない』などと。
もっとも、彼は元々そんな人であって、そんな人が言うことをまに受ける方がバカなのだと言われればそれまでです。
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コメント
初めてコメントさせていただきます。
僕の母親は僕が小学生の頃、腎不全になり、高校生の頃には透析を始めるようになりました。
透析を行いながら大病院の婦長を務め、僕が30歳になった時に脳出血で亡くなりました。59歳でした。
母親は広島に原爆が投下された日、救護活動のため広島市内に行き、そこで被爆しましたが、
腎不全になったのも、その被爆の影響の可能性が全く無いとは言えないと言われました。
長谷川氏の傲慢さは、以前からテレビで観たりブログを読んだりして感じてましたが、今回のブログは言語道断です。
河野先生がおっしゃっるように、弱者の事を思いやる事の出来ない高慢な最低の人間だと思います。
最近、マスコミやネットでこのような考え方をした輩をよく見かけ、
これから先がとても不安です。
本当に日本は何処へ行こうとしているんだろう…。
長文失礼しました。
投稿: フランクスオーナーm | 2016年10月 2日 (日) 19時36分
すごく腹が立つブログですね、すごく透析患者に対して配慮がありません。透析患者への訪問介護は大変でしたが、それが私の介護としての出発点でした。すごく河野先生からの情報はありがたい。
投稿: 愛ちゃん | 2016年10月 2日 (日) 23時03分
血祭りとか、15人集めるとか、できの悪い中学生の文章ですね。
14年間、誰か取材してまとめてくれた文章を読むことに、何があるのでしょうか?
他人のふんどしで14年間相撲を取り続けたのだから凄いでしょ?バカ?
食が悪い→糖尿病→透析となるのが悪いとするのなら、その悪い食の代表であるお菓子や飲料やインスタント食品を作っているメーカーも悪い。つまり、番組のスポンサーは悪く、悪い食をそそのかすCMなんてもってのほかって事になりますよね。
でも、彼はその悪い食を作り多く食べさせようとする企業から収入を得ていることに気付いていないのでしょうか。
番組での発言とブログが別だとか?二枚舌の詐欺師ですか?
以前からテレビでのこの人の発言は「バカ」だと思ってましたが、よくこんな人をテレビに出していたなと思います。
さて、職を失って収入が無くなっても、当然に問題の社会保障費のお世話にはならいのでしょうね。
投稿: やんじ | 2016年10月 3日 (月) 13時08分