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当事者と学ぶ「性暴力被害と回復、その支援など」②

山本潤さんの講演。まず、ご自分の体験を人に話すという、このつらいことを頑張ってして下さって感謝します。それは、彼女自身の怒りや悲しみや絶望などを乗り越えて、正義感に裏打ちされて勉強をする中で獲得された、強さと、優しさなのだと思います。

山本さんのお話をここですべて再現することはできませんが、私自身が、みんな知っておくべきだと感動の中で考えたことのご紹介をしますね。

山本さんは、13歳の時から7年間にわたって、実父に犯され続けています。誰にも言えず、心を空にすることで耐え続けました。彼女が20歳の時、母親が離婚することで、やっとそれは終わりました。彼女が母親に言えたのは、その後でのことです。

世の中には、未だに「レイプ神話」というものが流布されています。それは、次のようなものです。

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しかし、平成24年の内閣府の調査、子どもと家族の心と健康調査委員会1998年のデータを示してくださいました。

1) 異性から無理矢理に性交をされた経験がある女性は20人に一人以上、6.5%にも上ります。これを広島県の女性の人口(H27年)1462306人に当てはめると、95049人に。

2)12歳以下で異性から無理矢理性交をされた経験があるのは130人に1人、0.72%。

3)無理矢理に性交をされた経験のある女性のうち、面識があったのは76.9%。

4) 18歳までに何かの性的虐待を受けた子どもは 女子は39.4%。男子は10%。

さらに。

「だれにも性被害を相談したことがない」という人が、被害を受けた人の67.5%にもなります。

それらを考えると、警察庁発表(平成26年)の認知件数

強姦   1250件、強制わいせつ 7400件という数値がいかに一部しかとらえられていないかということが分かります。

山本さんは、講演のはじめのころ、「そこに座っている周りの二人でも三人でも、グループを作って下さい。その三人で、自分が初めてのセックスをした時のことをお互いに告白して下さい」「どんな人と、どちらがどう誘って、どこに行って、服は自分から脱いだか、相手に脱がしてもらったか、どんな風に触られたか、キスはどうだったか・・・・」もっと微に入り詳しく・・・。

 それを、今、そばに座っただけの人にしゃべらなければならないのは、やはりいやだと思いました。

山本さんは、それを実行させはしませんでしたが。それと同じことを、警察に訴えて行くと、問われるのだと。それまで、見ず知らずだった人に、細かく聞かれ、しゃべらなければならないのだと。

まだ明日に続きます。

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コメント

被爆71年:先生のブログを読む機会が増え「性教育、性暴力」の現状と詳細を知ることが増えました。ただ読んでて気になることが。それは事後対策工の展開はあるものの事前対策工が殆ど聞けない。原因とその対策工でもありますが、原因の根絶論が「性」を通してもっと歴史的にも語られてはと思うのですが。かって「救対活動」をやられた先生、国家権力の性暴力もひどいものでした。何人の人間が精神障害となり・・。とんとふ勉強な私です、「性暴力」を歴史的に説いた本があればご紹介ください。その他参考図書もありましたら。

投稿: 小倉っ子 | 2016年6月21日 (火) 09時26分

山本さんは、もっとおかあさんに自分の事をきずいて欲しかったと思わずにはいられません。レイプ神話はなくさないと行けませんね。

投稿: 愛ちゃん | 2016年6月21日 (火) 09時27分

実は私の父親は、国鉄上がりの警視庁警察官で鑑識畑を退職までやったひとですが、強姦犯罪の捜査や事情聴取などは問題があることをいってました。婦人警察官もたくさん管内にいるわけではなく完璧な男社会だから難しいことがあります。また完璧な男社会だからこそ国鉄上がりの警察官はいじめられます。問題があることを常々定年退職するまでいってました。

投稿: 愛ちゃん | 2016年6月21日 (火) 10時27分

性被害
勇気もでしょうが
それ以上に難しい問題が沢山
あるようですね

投稿: ノーテン小作人 | 2016年6月21日 (火) 18時58分

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