当事者と学ぶ「性暴力被害と回復、その支援など」③
内閣府の指示により、全国に性暴力の「ワン・ストップセンター」作りが求められています。「ワン・ストップセンター」とは、性暴力の被害に遭った人が、そこに連絡をすると、そこからすべての必要な支援が受けられるというものです。
しかし、私も常々言っていることなのですが、性暴力=性犯罪ではありません。強姦や強制わいせつ等の刑法に触れることだけでなく、DVやセクハラ、痴漢、性的発言や過去にうけた傷等も含まれます。
これまで、被害を受けた女性が警察に訴えても、それが「有罪にできるか否か」という視点で対応され、有罪が難しそうとなれば、それで放っておかれるということになっていました。
しかし、有罪にするには、被害者証拠が体に残るほどの強い抵抗が求められたり、トラウマ(心的外傷)の理解が欠如していたり、記憶の信ぴょう性が疑われたりします。
さらに、現在、支援を受けられるシステムがありません。その結果、
警察に連絡・相談するのは、3.7%~10%。
医療機関に相談するのは 1.7%。
しかし、ここに来て、性暴力を定義しなおす必要が言われています。山本さんのスライドをお借りします。
性暴力とは・・・同意のない性的言動であり、性的自己決定権を発揮できなかった瞬間に⇒性暴力が起きる、と言われます。
もしも、性暴力被害を受けたことが知られたら、どうなるか。山本さんのスライドから。
性被害の告白を受けた周りの反応
「どうして逃げなかったの?嫌だと言わなかったの?」
「本当なの?勘違いしてるんじゃないの?」
「そんなこと早く忘れなさい」
そんなひどい反応をするのはなぜ?
・どうすればいいか、まったく何も知らないから
・つらい経験をしたことがないから
・その人自身が体験した被害を思い出させたから
もちろん被害者を助けてくれる家族や友人などの身近な人もいます。でも、こういう反応を引き起こすこともある複雑な問題が性暴力なのです。
では、性暴力を受けたこと人は誰に相談しているか。
それは、友人・知人が22.2%なのですね。
では、相談を受けた人が、相談した人にどのような対応をすればいいのか。そのお話が明日に続きます。
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コメント
今回は別の会合に出席していたため参加できずとても残念でした。
またの機会にぜひお話をお聞かせください。
投稿: ふぃーゆパパ | 2016年6月22日 (水) 18時58分