G7広島外相会合に、被爆者は・・・。
今日から、「G7広島外相会合」です。当然ではありますが、ものものしい警備。昨夜ゆーぽっぽに行こうとして、検問で止められましたよ。
せっかくですので、みのりある会合にして頂きたく思います。
が、せっかく広島に来られても、被爆者の話を聞く機会はありません。
メディアセンターには600人を超える内外の記者が集まるそうですが、そこで昨日被爆者が証言をしても、海外メディアの参加はゼロだったと報じられています。
これらについて、時事通信の報道です。
『広島県原爆被害者協議会の坪井直理事長は「人類の幸せのため、核兵器廃絶のための第一歩だと考えたい」と話す。(略)
G7外相の被爆地訪問については「感謝している」と歓迎の意を表す。フランス等でのテロ事件も踏まえ、「人類が仲良くするための声明を考えてほしい」と注文を付ける。
一方、もう一団体の県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は、「外相会合では被爆者の証言を聞く日程が組まれておらず、被爆の実態を理解するには不十分と指摘。「いろいろな思いを持って生きてきた被爆者の体験は重要と強調する。(略)
佐久間さんは、(オバマ)大統領が2009年にチェコ・ブラハで行った演説で「核兵器を使用した唯一の核保有国として、行動する動議的責任がある」と述べたことに触れ、「自分の言ったことに対し現在どう考えているのか、広島に来て話してほしい」と厳しい口調で訴える。』
私は、坪井さんのコメントにはいつもがっかりさせられています。以前、時の総理が靖国に参拝したときにコメントを求められ「被爆者にはいろいろなな立場の人がいますから、ノーコメント」と言った時には、本当にびっくりしました。
被爆者にはいろいろな立場の人がいます。当然。でも、「被爆者」というくくりの中で、そして被爆者「運動」を行う団体の理事長としては、「戦争につながることにはノーと言わなければ」と思いました。「核兵器廃絶のため」」「戦争を繰り返さないめ」に、「運動」をひっばって行く義務があります。トップの立場の人は、自らの被爆体験を話すことだけではだめなのです。それは、多くの被爆者がまだまだやって下さいます。
こんな時、森滝市郎さんが生きていらっしたら、どう行動されただろうかといつも思います。
今回、せっかく、外相会合が広島で開かれるのですから「被爆者の証言を聞く機会を作る様」申し入れをし、もしそれがかなえられないのなら、「かなえられないのは残念」と海外も含めたメディアに発表する、それくらいの「行動」はすべきだと思うのです。それを「感謝している」だなんて。ため息が出ます。
昨日までの「忘れられないあの日」の中の一枚です。
「この世の地獄 遺体処理 8月8日 広島 19歳 軍人
広島市内から、旧似島陸軍検疫所に送られてきた遺体は数知れず、一部は薪・油で火葬にしたが、大部分は壕を掘って、そのまま埋葬するより仕方がなかった。
真夏の暑さと、原爆により三日間燃え続けた火災の熱で、遺体は腐乱し、その死臭は言語に絶するものであった。(あまりに悲惨なので、これより後は・・・略します) 』
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コメント
ハッキリとモノを言わないのがカッコいい的な風潮が冷戦後はびこりましたね。いわゆるポストモダン哲学。それが日本古来の村社会と結合し、物言わぬ社会になっている。それが日本の現状ですね。
投稿: さとうしゅういち | 2016年4月10日 (日) 11時45分
今回のイベントにがっかりしている被爆者がいるなんて伺うとある意味納得してしまいます。つまり思想的なものを抜いた形のイベントを作り上げると無味乾燥ですね。中間色というのは悲しいものです、ただ世界の方々に世界で唯一核兵器を使ってしまった戦争がじつはあるのだとわかってもらうのはよい事だとおもいます。
投稿: 愛ちゃん | 2016年4月11日 (月) 02時58分
朝のニュースにはオバマ大統領が人類最初の被爆地くることが建設的に考えられてるようですが、謝罪は無理だと思いながらも少しはましかもしれないかもしれないが、被爆者としては色々問題があるんだって学習できました。
投稿: 愛ちゃん | 2016年4月11日 (月) 12時53分